2024年12月19日( 木 )

九州地銀の2022年3月期決算を検証する(2)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

当期純利益の1位は福岡銀行

 【表】は、九州地銀(18行)の2022年3月期当期純利益の順位を示している。

 1位は福岡銀行で、前期比32億7,300万円増の527億9,200万円(前期比6.6%増)。貸倒引当金繰入額は5億4,800万円(同19億3,700万円減)。

 2位は西日本シティ銀行で、同62億500万円増の210億4,300万円(同41.8%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は21億100万円(同50億1,000万円減)。

 3位は肥後銀行で、同33億9,000万円増の120億6,700万円(同39.1%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は25億2,700万円(同23億6,300万円減)。

 4位は昨年10位だった十八親和銀行。合併が軌道に乗ったことから同87億700万円増の108億5,000万円(同406.3%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は25億1,700万円(前期はゼロ)。

 5位は鹿児島銀行で、同5億1,500万円増の79億8,100万円(同6.9%増)。貸倒引当金繰入額は同53億7,700万円(同35億4,400万円減)。

 6位は昨年4位だった宮崎銀行。同5億2,200万円減の74億7,300万円(同6.5%減)。貸倒引当金繰入額は43億5,000万円(同29億2,200万円増)。

 7位は大分銀行で、同17億6,100万円増の53億7,600万円(同48.7%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は11億8,000万円(同24億4,200万円減)。

 8位は熊本銀行で、同4億4,400万円増の51億2,800万円(同9.5%増)。貸倒引当金繰入額はゼロ。

 9位は佐賀銀行で、同16億1,100万円増の40億7,600万円(同65.4%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は24億1,800万円(同8億2,400万円増)。

 10位は南日本銀行で、同5億800万円増の22億1,200万円(同29.8%増)。貸倒引当金繰入額はゼロ(同8億5,600万円減)。

11位までが当期純利益10億円超

 11位は宮崎太陽銀行で、同3億8,600万円増の16億2,800万円(同31.1%増)。貸倒引当金繰入額は1億4,700万円(同1億3,900万円減)。ここまでが当期純利益が10億円超となっている。

 12位は福岡中央銀行で、同3億5,000万円増の8億6,900万円(同67.4%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は9,600万円(同1億7,700万円減)。

 13位は豊和銀行で、同1億4,700万円減の8億4,800万円(同14.8%減)。貸倒引当金繰入額はゼロ。

 14位は佐賀共栄銀行で、同3億3,800万円増の6億3,900万円(同112.3%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は4億5,700万円(同900万円減)。

 15位は筑邦銀行で、同6億600万円減の5億6,300万円(同51.8%減)と大幅な減益。貸倒引当金繰入額は7億9,200万円(同1億7,900万円増)。

 16位は昨年6位の北九州銀行で、同50億5,400万円減の2億4,000万円(同95.5%減)と大幅な減益。貸倒引当金繰入額は47億9,900万円(同34億2,600万円増)。

 17位は長崎銀行で、同1億5,300万円増の2億3,200万円(同193.7%増)と大幅な増益。貸倒引当金繰入額は前期のゼロから1,700万円。

 18位は昨年5月から営業を開始したふくおかFG傘下のみんなの銀行で、当期純損益は35億8,600万円の赤字。貸倒引当金繰入額は3,300万円。

金融グループの当期純利益

 1位のふくおかFGの当期純利益は、前期比94億7,100万円増の541億1,800万円(前期比21.2%増)となっている。貸倒引当金繰入額は36億1,900万円(同20億6,900万円増)。

 2位は西日本FHで、同61億4,800万円増の242億3,600万円(同34.0%増)。貸倒引当金繰入額は19億3,900万円(同42億7,900万円減)。

 3位は九州FGで、同16億4,300万円増の166億5,500万円(同10.9%増)。貸倒引当金繰入額は84億7,200万円(同58億2,700万円減)。

 4位は昨年2位の北九州銀行を傘下に置く山口FGで、同380億1,200万円減の130億5,500万円の赤字を計上。貸倒引当金繰入額は220億4,700万円(同130億8,300万円増)。

 日銀のマイナス金利政策と新型コロナウイルスの影響を受けて、22年3月期の決算も厳しい状況が続いているなか、当期純利益が前期比プラスとなっている銀行が多い。貸倒引当金繰入額が影響していることが読み取れる。九州地銀にとって厳しい経営環境は、まだまだ続くことになりそうだ。

【表】九州地銀の2022年3月期の経営成績について
【表】九州地銀の2022年3月期の経営成績について

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

(1)
(3)

関連キーワード

関連記事