九州地銀の2022年3月期決算を検証する (4)
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【表】は九州地銀の22年3月期の純資産残高推移表である。ふくおかFGは「みんなの銀行」を設立し21年5月より営業を開始。デジタルバンクであるが18行目の九州地銀とする。
~この表から見えるもの~
◆九州地銀18行の純資産残高は前期比307億円減の3兆565億円(前期比1.0%減)。総資産残高は前期比6兆2,495億円の75兆2,087億円(9.1%増)。(億円以下切り捨て)
<1位~10位>
・1位 福岡銀行
純資産6,810億円 総資産20兆8,263億円 自己資本比率 9.13%
・2位 西日本シティ銀行
純資産5,266億円 総資産12兆8,217億円 自己資本比率 9.45%
・3位 肥後銀行
純資産3,320億円 総資産7兆5,093億円 自己資本比率10.01%
・4位 鹿児島銀行
純資産3,264億円 総資産6兆6,263億円 自己資本比率10.41%
・5位 十八親和銀行
純資産2,690億円 総資産6兆5,414億円 自己資本比率 9.75%
・6位 大分銀行
純資産1,980億円 総資産4兆3,105億円 自己資本比率 9.94%
・7位 宮崎銀行
純資産1,591億円 総資産4兆2,419億円 自己資本比率 8.21%
・8位 佐賀銀行
純資産1,157億円 総資産3兆1,640億円 自己資本比率 8.01%
・9位 北九州銀行
純資産1,037億円 総資産1兆5,322億円 自己資本比率10.50%
・10位 熊本銀行
純資産 903億円 総資産3兆1,155億円 自己資本比率 9.73%
<11位~17位>
・11位 宮崎太陽銀行
純資産554億円 総資産8,803億円 自己資本比率10.93%
・12位 南日本銀行
純資産526億円 総資産8,828億円 自己資本比率11.04%
・13位 筑邦銀行
純資産383億円 総資産9,051億円 自己資本比率 7.86%
・14位 豊和銀行
純資産320億円 総資産6,429億円 自己資本比率 8.93%
・15位 福岡中央銀行
純資産301億円 総資産5,701億円 自己資本比率 9.39%
・16位 長崎銀行
純資産184億円 総資産3,442億円 自己資本比率 9.95%
・17位 佐賀共栄銀行
純資産149億円 総資産2,746億円 自己資本比率 8.68%
・18位 みんなの銀行
純資産120億円 総資産188億円
◆純資産残高の順位の変動は長崎銀行と佐賀共栄銀行の入れ替えのみ。
・純資産の増加率トップは長崎銀行で22.2%増。次が南日本銀行で22.0%。
・総資産の増加率トップは鹿児島銀行で19.4%増。次が宮崎銀行で16.1%増。
・11位の宮崎太陽銀行の純資産は554億円、17位の佐賀共栄銀行は149億円となっており、上位グループとの差が大きいのがわかる。18位のみんなの銀行は(営業開始して間がないため)除外している。
◆金融グループの純資産残高の順位変動はなかったが、4グループとも前期比マイナスとなっている。とくに北九州銀行を傘下に置く山口FGの純資産残高が▲447億円と大きく減少している。<まとめ>
九州地銀の22年3月期の純資産残高は、17行のうち11行および金融グループ4社も前期比マイナスとなっており、日銀のゼロ金利政策の継続および新型コロナウイルスの影響を受けて厳しい状況にあることが読み取れる。(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】
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