2024年11月20日( 水 )

【コロナ禍を越えて(9)】水際対策を緩和したモンゴル

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    今月初頭に訪問したモンゴル国では、感覚では8割~9割の人がマスクを外していた。同国の新型コロナウイルス感染者数は約46万8,000人であり、国民の約13%が感染済みであるが、5月以降感染者はほとんどでていない。マスクをめぐり、2020年には着用せずに外出すれば約6,000円の罰金(同国の月収1カ月分に相当)を科せられていたほど厳しい措置が講じられていたが、現在は外して街を歩いていても何も言われず、視線も感じることもなかった。

 同国の水際対策も3月14日から緩和された。入国手続き時、健康状態に関する質問は行われるものの、ワクチン接種や隔離は求められない。出国手続き時には現地でPCRなどの検査に基づく陰性証明書を取得しておくことが求められるが、検査スタッフに滞在先のホテルなどにきてもらい、検査を受けることができる。日本への入国手続きを含めても、それぞれ数分~10数分長くなった程度で、出張にはほとんど支障がなくなったといえる。日本のパスポートを所有していればビザなしで30日滞在できるようになり、コロナ以前の状態に戻っている。

 今回訪問した商業施設、オフィスビルに置かれていた非接触型検温器は、ほぼすべて電源が入っておらず、出入りする人についてチェックする職員も見かけなかった。賛否はあるだろうが、政府から国民に至るまで、コロナに対する意識が薄れていることを実感した。滞在中に出会ったモンゴル人との間でコロナに関する話題は出ず、会話は今後の事業に関するものばかりであった。IMFの予測によると、今年のモンゴル国のGDP成長率は2.0%(21年は1.4%)。

【茅野 雅弘】

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