2024年11月24日( 日 )

世界中に拡大する「サル痘」 日本にも上陸!(前)

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国際未来科学研究所
代表 浜田 和幸

不安な都会 イメージ    新型コロナの第7波が猛威を振るっています。日本では連日、感染者数の記録が更新されているわけで、注意を怠れません。そんななか、天然痘に似た「サル痘」の感染者が国内で初めて確認されました。

 最初はヨーロッパから帰国した日本人男性でした。2人目は来日した北中米からの男性とのことですが、国籍は明らかにされていません。

 今年になって欧米を中心に流行り始めたわけですが、すでに78カ国で2万人超が感染と急拡大しています。アジアではシンガポールにおいて7月末時点で、11例が確認されました。これまではアフリカ大陸の西部と中央部にしか存在が確認されておらず、アフリカ以外でこれほど感染者が増えたのは初めてのことです。

 そのため、世界保健機関(WHO)では7月23日、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。これはWHOによる最高レベルの警戒警報で、2020年1月の新型コロナウイルス以来のことです。

 まさに、「一難去ってまた一難」。厚労省は「新型コロナと違って容易には感染しない」と説明し、「天然痘ワクチンは85%の発症予防効果があり、政府はテロ対策のため国家備蓄を行っているので、過剰反応は必要ない」との立場を取っています。

 なお、日本での感染者第1号となった男性は、ヨーロッパで開催が相次いだゲイ集団のパレードに参加し、複数の男性と性的接触を重ねたことで感染した模様です。そのため、WHOでも「感染は男性同士の性的関係が原因のため、そこを押さえれば感染を防ぐことができる」と述べています。要は、MSM(men who have sex with men)が主たる感染経路であるため、「通常の男女の性的関係では問題は起きない」との見方です。

 とはいえ、アメリカでは17歳以下の子ども81人に「サル痘」感染が確認され、「WHOの説明では納得できない」との声が挙がってきました。さらに、女性のサル痘感染者もアメリカで発生していることがCNNによって報道されています。

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 アメリカでは03年にサル痘が広がったことがありました。当時はガーナから輸入された動物を介してのこと。37人の感染が確認されたのですが、3分の1は18歳以下の子どもでした。しかも、データ上からは「重篤化するリスクは子どものほうが高い」と判断されています。

 アメリカNBC放送によれば、「サル痘感染者の98%はゲイあるいはバイセクシュアルの男性である」とのこと。では、なぜ17歳以下の子どもたちや女性の間でも感染者が発生し始めているのでしょうか。しかも、「妊婦の場合は死産の可能性が高い」との指摘もあります。要は、同性愛とは関係なく、サル痘は感染する可能性があるということです。

 実は、アメリカでは世界最悪の児童誘拐と売買が日常化しているのです。いわゆる人身売買で、「USA TODAY」紙によれば、年間に少なくとも250万人の子どもが性的な目的のために売買の対象になっているとのこと。

 アメリカでは銃や麻薬が犯罪の温床となっていることはよく知られていますが、最近の急成長ビジネスは「児童売買」にほかなりません。「ニューヨーク・タイムズ」紙ですら、「隣の女の子」と題した女児の誘拐に関する特集記事を掲載し、注意を喚起しているほどです。

 さらに、ゲイやバイセクシュアルの男性が10歳前後の子どもたちを対象にした快楽追求に走っていることが、アメリカで子どもの間でサル痘感染が広がっている理由と見なされています。

 アメリカの不都合な真実の一端といえそうです。

(つづく)

浜田 和幸(はまだ・かずゆき)
 国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。近著に『イーロン・マスク 次の標的「IoBビジネス」とは何か』、『世界のトップを操る"ディープレディ"たち!』。

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