巨人稲盛和夫氏に学ぶ（8）～“稲盛哲学”のバトンをつないでいく

クラシックマネジメントグループ（株）
代表取締役　谷水 利行

    稲盛塾長のことを「経営の神様」と表現される方も多くいらっしゃいますが、稲盛塾長は企業経営の領域にとどまらず、人としてケタ違いに大変すばらしい方です。まさに、神様がこの世に送り出された、数十年あるいは100年に1人の天才だったのだと思います。

　稲盛塾長からは、「人としていかにあるべきか」という人間としての生き様を示していただきました。また、経営の場面においても、「人間としていかに正しいかを基準に判断することが必要である」という経営者としての心構えや、そのうえで「いかに努力してそれぞれの企業の業績を伸ばしていくか」といったような、さまざまな教えを学ばせていただきました。

　先日、その稲盛塾長の突然の訃報をお聞きしたときは、ショックのあまり言葉も出ませんし、力も出ませんし、ただ茫然と立ち尽くしてしまいました。そして胸中には、ただ「ありがとうございました」という感謝の言葉だけが思い浮かんでいました。

　現在、私は盛和塾福岡の後継団体である「フィロソフィ経営実践塾〈福岡〉」の顧問を務めさせていただいております。稲盛塾長から受けた教えの数々を、今度は私たち元塾生が若い経営者に教え伝えて、すばらしい“稲盛哲学”のバトンをつないでいくこと――それが私のできる、稲盛塾長に対する唯一の恩返しだと思っております。

　稲盛塾長、本当にありがとうございました。心からの感謝の気持ちとともに、ご冥福をお祈りいたします。