全国初、上納金脱税容疑で工藤会総裁らを逮捕
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福岡県警は16日、特定危険指定暴力団・五代目工藤会(北九州市)トップで総裁の野村悟容疑者(68)=殺人罪などで起訴=ら幹部4人を逮捕したと発表した。逮捕容疑は、2010年から13年までの間、工藤会の上納金のうち、野村容疑者の個人所得である約2億2,700万円を隠して申告することで、約8,800万円の所得税を脱税した疑い。
警察庁によると、暴力団の上納金に対して警察が脱税容疑で摘発するのは、全国でも初めてという。上納金とは、暴力団員が組織に毎月一定額収めているお金のこと。組員は上納金を支払うことによって、その暴力団組織の名称を使うことを許され、暴力団組織を背景に市民に恐怖を与えながら、「みかじめ料」などの資金を獲得する。こうした上納金の仕組みは、暴力団の資金獲得を支える基盤であり、犯罪の動機にもなる反社会的なシステムとなっている。
今回、福岡県警は福岡地方検察庁、福岡国税局と連携のうえ、上納金の一部が指定暴力団トップの個人所得となっていることを明らかにした。今後、さらに捜査を進め、暴力団組織の根幹である上納金の仕組みを解明し、工藤会壊滅に向けたさらなる一歩としていくとしている。福岡県警の吉田尚正本部長は16日の会見で、「恐怖やしがらみなどから、工藤会との関係を続けざるを得なかった事業者の皆さん、今こそ勇気を出して工藤会と決別するチャンスです。今、関係を断ち切らなければ、2度とこのようなチャンスはめぐってきません。まずは警察に相談してください」と呼びかけた。
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