2024年11月21日( 木 )

過去最高益達成、新規事業スタートでさらなる高みへ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)ラック

不動産、飲食、福祉事業スタート

(株)ラック 代表取締役社長 松井 秀二 氏
(株)ラック
代表取締役社長 松井 秀二 氏

 冠婚葬祭事業を手がける(株)ラックは、1967年12月に(株)西日本ウェディングセンターとして設立され、今年で55周年を迎えた。社名である「LAC」は「Life Living and Culture Convenience」の頭文字からとられており、「多様化する生活シーンを文化としてとらえ、より豊かな生き方の提案」を基本コンセプトにして、新たな時代のニーズに対応するための今後の方向性を提示しているという。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、婚礼業界は大きな打撃を受けた。それは同社も例外ではなかった。そうしたなか同社は、不採算部門の整理のほか、新たに不動産事業、飲食事業、福祉事業の展開をコロナ禍以降スタートさせ、2022年3月期は売上高46億4,394万9,000円、税引前当期純利益4億1,098万9,000円を計上、過去最高の利益を上げている。

 コロナ禍前は年間600組超の稼働を誇った結婚式場「リッツファイブ」(福岡市博多区)を6月25日に閉館した。今後はリッツファイブとは異なる新しいスタイルの結婚式場の建設を計画しているという。一方、福岡を拠点とした西日本典礼と、大分を拠点とする大分典礼を展開する葬祭事業は好調で、今後も設備投資を行い、拡大路線を進めていくという。

 コロナ禍以降、同社が開始した事業の1つである「不動産事業」では、相続物件問題解決のために不動産売買のほか、リフォーム、遺品整理などさまざまな不動産サービスの提供などを行っている。同じく新たな事業である「飲食事業」では、日本および九州の食文化を全国に発信すべく、5月の連休明けに熊本県1号店となる「井手ちゃんぽん」FC店を熊本市南区に出店。今後エリアを拡大していくほか、将来的にはオリジナルの飲食店出店も検討中だという。

 福祉事業では昨年、自立支援型デイサービス「レッツ倶楽部野方」を開設した。要介護認定を受けた高齢者をサポートする半日型のデイサービスで、6台のリハビリマシンを使い、日常生活に必要な動きのトレーニングを提供している。

 11月には、札幌で大人気の韓国フォトスタジオ「NOBLE JAPAN(ノーブルジャパン)」のFC店を本社2階にオープンさせる。韓国のデザイナー監修によるフォトスタジオは、あたかも映画のワンシーンであるかのようなウエディングフォトを演出。さらに高度なレタッチ技術で自然な仕上がりの補正が可能だという。

 ブライダル関連では、今年から婚活事業にも参入。結婚相談所「ENLIFE(エンライフ)」は、日本最大級の「日本結婚相談所連盟(IBJ)」の正規加盟店のため「圧倒的な出会いの数」でパートナー探しを全力でサポートする。また、ウェディングプロデュースを手がける「リッツ5コンシェルジュ」では、結婚式場のアレコレを知り尽くしたプランナーが希望や予算に応じた式場を紹介している。

社員満足度の向上が顧客満足の向上に

 同社は経営方針に「ボトムアップ型経営」を掲げる。このボトムアップ型経営を体現するために昨年11月、「Switch PROJECT」を立ち上げた。

 「Switch PROJECT」で決まった同社の新たなミッションは「一流のおせっかいで、あなたの“とき”を感動で満たす」。そこに込められた想いは、「愛情と情熱をもって、地域に生きる1人ひとりの心に寄り添い、とことん尽くし続けながら、感動のシーンをアップデートし続ける、日本一誰かのために熱く生きるおせっかいカンパニーを目指します」というもの。

 松井社長は、「当社は社員が主役です。社員満足度の向上が顧客満足の向上につながります。社員の方々から『この会社で働いていて良かった』と言ってもらえるような会社にしていきます」と語る。現場の声を反映させたボトムアップを徹底することで、主体性をもった社員が増え、それが同社のさらなる成長につながるであろうことは、想像に難くない。

【新貝 竜也】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:松井 秀二
所在地:福岡市博多区東比恵3-14-25
設 立:1967年12月
資本金:6,575万円
TEL:092-473-0101
URL:https://j-lac.com/


<プロフィール>
松井 秀二
(まつい しゅうじ)
1956年11月、福岡市博多区出身。日本経済大学経営学科卒業後、(株)西日本互助センター(現・(株)ラック)に入社。冠婚事業部RITZ5課長やRITZ5支配人、冠婚事業部部長などを経て、2007年冠婚事業部執行役員、2009年取締役、2012年常務取締役に就任。2020年1月代表取締役社長に就任。

関連記事