アジアのハブ空港へと成長した仁川国際空港(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏仁川と対照的な対応、蘭・スキポール空港
筆者は先週、出張で名古屋を訪れたが、中部国際空港では入国の際、外国人に対して情報の入力を求め、それをスタッフが代わりにやってくれていたので、それだけでも30分以上の時間がかかっていた。日本語ができない人は、もっと時間がかかるような状況だった。一方、仁川国際空港では紙を1枚記入して提出するだけで済んだので、とても手続きが早かった。
仁川国際空港とは真逆の選択をしたヨーロッパの空港があるので紹介したい。ヨーロッパの代表的なハブ空港であるオランダのスキポール空港である。同空港は新型コロナウイルスで、2020年の乗客が61%減少すると、その年の8月にリストラを断行した。全社員2万2,000人のうち、3,000人がレイオフされたという。航空会社、免税店などを入れると、全体の半数ほどが解雇になったとされる。その結果、航空旅行が正常に戻りつつある現在、通常15分ほどかかっていたセキュリティ検査は90分ほどかかるようになって、出国手続きにかかる時間は最長で4時間ほどになった。
空港は人でごった返し、大混乱に陥っている。また1日8千個~1万個ほどの手荷物が紛失するというトラブルも発生しているようだ。ハブ空港でもコロナ時の選択によって、このように明暗が分かれている。
世界的なハブ空港になった仁川国際空港
01年3月に開港した仁川国際空港は、今年で開港22年目となる。現在滑走路は4つで、アジアトップクラスのハブ空港へと発展している。現在も拡張工事が進んでおり、24年にこれが完成すれば、年間1億人以上が利用できる空港となる。
日本に行く時には、ソウル市内から距離が比較的近い金浦(キンポ)国際空港を利用することが多いが、東南アジアなどその他の国に行く時には、仁川国際空港を利用することになる。仁川国際空港には、空港リムジンバスや空港鉄道など、いろいろなアクセス方法がある。韓国は日本に比べて交通費が安く、リムジンバスの料金は1,500円ほどである。今回久しぶりに仁川国際空港を利用することになったが、コロナ期間中にリニューアルされて仁川国際空港は、さらにきれいな空港になっていた。
世界の航空格付け会社Skytraxによると、2022年の「世界最高の空港」に選ばれたのは、1位が2年連続でドーハ・ハマド空港(カタール)。2位が羽田空港(日本)、3位がチャンギ空港(シンガポール)、4位が成田空港(日本)で、仁川国際空港は5位に選ばれていた。これらの空港が、アジアにおけるハブ空港の座を争っていることがよくわかる。
空港内だけでなく、周辺との連携など、空港の発展に欠かせない要素はいくつかある。いつも世界1位の座にいたチャンギ空港、清潔度ナンバーワンの羽田空港、スピードやイノベーションで「世界3大空港」に挑む仁川国際空港など、今後空港の競争から目が離せない。
(了)
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