ハロウィーンの大惨事、ソウルで150人超が死亡(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏梨泰院で転倒による事故
新型コロナウイルスの感染拡大が進んでいた時期、「コロナの集団発生地」としてマスコミを賑わしたことのある梨泰院(イテウォン)だが、今回はハロウィーンという外国のイベントを楽しむために集まった多くの若者が死亡するという事故が発生し、韓国国内は騒然となっている。
ソウルの繁華街、梨泰院で29日夜、ハロウィーンイベントに押し寄せた群衆が転倒し、多数の死傷者が発生する事故が発生した。ソウルの消防当局は、30日の午前10時時点で151人が死亡し、82人が負傷、合計233人の死傷者が出たことを明らかにした。
被害者の多くは10~20代の若者だという。事故の原因は消防当局が分析中で、まだ明らかにされていないが、道幅が狭い坂道に多くの人が殺到、折り重なるように倒れて圧死したのだという。サッカーの試合などに観客が詰めかけ、倒れて下敷きになって死亡する事故などはあったが、今回のように150人を超える人が下敷きになって死亡するという事故は珍しい。
海外のメディアは「2014年に304人が犠牲となったフェリー(セウォル号)沈没事故以降、韓国で最も多くの人的被害を出した事故」と報じている。負傷をした82人のうち、重傷者は19人。19人の正確な状態は確認できていないが、ほとんどが心肺蘇生術(CPR)を受けた後に病院に搬送されており、今後死亡者がさらに増える可能性もあるとされる。
若者の街・梨泰院で大惨事
ソウル市の中央部である龍山(ヨンサン)区に位置する街、梨泰院。第二次世界大戦後、龍山区には米陸軍第8軍司令部が駐屯し、梨泰院は米軍相手の商売をする場所として発展を遂げてきた。
米軍だけでなく、その後、さまざまな国から外国人が訪ねてくるようになり、梨泰院は「観光とショッピングの名所」となった。1997年には国内の観光特区に指定されるなど、韓国国内で梨泰院ほど異国情緒に溢れる場所を探すのは難しい。
梨泰院のハミルトンホテル裏に延びる通りが「世界飲食文化通り」で、アジアや中近東、ヨーロッパなど、世界30カ国余りの料理を楽しめるレストランやカフェが並んでいる。
レストランだけでなく、クラブ、バーも軒を連ね、夜の遊び場として、ほかの繁華街とは一線を画す雰囲気を醸し出しており、多くの若者をひきつけている。とくに梨泰院のクラブは若者に人気で、弘大(ホンデ)または江南(カンナム)とともに、ソウルの3大クラブ地域の1つとなっている。筆者も先週、「ハロウィーンが間近なので、梨泰院に多くの若者が集まることになるだろう」と聞いていたが、このような事故が起こるとは夢にも思わなかった。
(つづく)
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