溶けて溶けてどこへ行くの? 我々には覚悟はあるか(3)~覚悟を持ってスーパーカービジネスへ挑戦(後)
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芝浦グループホールディングス(株) 新地 哲己 代表取締役会長
トータル発電能力80MWを超えるメガソーラー発電所を運営する芝浦グループホールディングス(株)。一昨年からはホテル事業にも参入。2016年には自社で1から作り上げたホテルニューガイア上呉服をグランドオープンさせた。芝浦グループホールディングス会長の新地哲己氏に16年の振り返りと17年の展望を聞いた。
スーパーカービジネス始動
――技術を身につけ、応用することで次の一手を生み出すのですね。発電王、ホテル王の新たな一手についておうかがいします。17年はどのような事業に注力されるのでしょうか。
新地会長 17年は「仕掛けの年」になると思います。仕掛けの1つはスーパーカーですね。オームタガーデンに展示するなど、弊社はスーパーカーと呼ばれるスポーツカーを所有しています。これを事業化する仕掛けが17年の取り組みとなる予定です。
――スーパーカーを事業化するのですか。
新地会長 はい。スーパーカーとは高い出力で高性能なスポーツカーのことを指します。一般にはフェラーリ社やランボルギーニ社がつくる車として認知されているかもしれませんね。そのスポーツカーでイベントを行ったり、スーパーカーの販売などを行ったりすることを事業化していきたいと考えています。
――6月には西日本総合展示場(北九州市小倉北区)でイベントを催される予定とうかがっています。
新地会長 「メガスーパーカーモーターショー2017」を開催する予定です。無改造で1,000馬力を超える、スーパーカーを超えたハイパーマシンを3台展示し、そのほかにも希少車が一堂に会する展示会を行います。このイベントはぜひとも成功させたいですね。
――スーパーカーの販売も手がけていく考えなのですね。
新地会長 そうです。スーパーカーは希少性が非常に高く、欲しい車があっても手に入らないという性格を持っています。また、欲しいと思っても取り扱いをしている店が九州にない、ということもあります。私たちはスーパーカーをメーカーの垣根を越えて1カ所に集めて常設展示し、いつでも見てもらえる展示館のようなものをつくろうと考えています。有料で見てもらって、欲しいと思った方には販売もするという施設です。スーパーカーも一般の車と同じく、メーカーごとにそれぞれ販売をしているのが現状です。九州には1カ所に集めて見比べなどができる場所はまだありません。
――かつては家電もそうでした。
新地会長 家電もメーカーごとにお店を構えていました。それが今では家電専門店や量販店で1カ所に集められ、競争しながら販売されています。スーパーカーもそういう場所があれば、ファンにとっては至福の場所になるのではないでしょうか。また、現在想定している施設にはスーパーカー専門の整備工場も併設しようと考えています。スーパーカーは繊細につくられていますので、専門技術を持った技術者が整備をしなくてはなりません。そのための施設も必要となりますからね。スーパーカーが常にあり、整備工場もあれば、このスペースにはスーパーカーファンの富裕層が多く集まってくることが想定されますので、VIPルームのあるステーキシャロンもつくろうと考えています。
――スーパーカーは生産台数が少ないため、入手自体が困難なのではないですか。
新地会長 世界中に購入希望者がいますからね。2〜3年後はさらに3台、3億円を超える車を購入する予定です。2台は手付け金を支払うことができました。残り1台も購入できる約束はあるのですが、まだ手付け金を納める段階には至っていません。買い付けるだけでも骨が折れるのがスーパーカーなのです(笑)。今年はアストンマーチン社(イギリスの高級車メーカー。映画『007』シリーズの歴代ボンドカーを提供していることでも有名)の社長とお会いする予定になっています。今後、いい関係を築くことができるよう期待しています。また、マクラーレン社(マクラーレン・オートモーティブ。イギリスのスポーツカーメーカー)にも訪問して買い付けの確約をとりたいと考えています。
――スーパーカーの買い付け王、という新たな二つ名をつけなくてはなりませんね。1,000馬力以上の車をこれほど集めることができる方は、世界を見てもそうはいないと思います。
新地会長 ブガッティ(ブガッティ・オトモビル。本社はフランスで製造拠点はドイツのスーパーカーメーカー)のシロンは1,500馬力あります。こんな夢のような車が集まっている場所はファンにとって幸せな空間だと思います。これを事業化する、そのための仕掛けの年にしたいですね。スーパーカーの常設展示ができる施設は再来年からスタートさせる考えです。それまではイベントを開催していきます。先ほど申し上げました西日本総合展示場でのイベントのあとに、さまざまな会場での展開を考えており、会場を物色中です。やがては幕張メッセや東京ビッグサイトでの開催も視野に入れています。
17年は仕掛けの年にしたい
――メガスーパーカー事業がいよいよ始動する年になるのですね。ほかにもキウイの生産を開始されていますね。
新地会長 これも先行投資の年になりますね。キウイ生産は現在10haの規模で準備を進めています。18年には苗木を植え、栽培を開始する予定です。18年は10億円程度の投資を行い、将来的には投資家とともに延べ60億円を投じて200haの農園を持ちたいと考えています。国内農業には人手不足、後継者問題があります。その解決に向けて何か助力できればと考えて、事業化を決断しました。地域に眠っている耕作放棄地や雑種地などを私たちの手で果樹園にしていきたいですね。
――農業問題は日本が抱える大きな課題になりつつあります。そこにも着目されているのですね。大規模な果樹園に組織立って取り組むパイオニアになると思います。スーパーカー事業も日本国内を見渡しても非常に珍しい事業だと思います。目の付けどころを変えてチャンスをつかんでいく姿勢は、新地会長特有のものだと感じます。
新地会長 ありがとうございます。新しいことにチャレンジしていくためには準備が必要です。今年はその準備の年になると思います。事業を育てるための土壌づくりです。
――その準備がどう結実していくのか、大変楽しみです。本日はご多忙のなか、ありがとうございました。
(つづく)
▼関連リンク
・「メガスーパーカーモーターショー2017」開催(2017年6月2日(金)~4日(日))<COMPANY INFORMATION>
代 表:新地 哲己
所在地:北九州市小倉南区上石田4-17-22
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円
TEL:093-962-6007<プロフィール>
新地 哲己(しんち・てつみ)
1953年生まれ。電気技術者として就職、77年にシンチデンキとして独立。84年に芝浦特機(株)として法人化。2011年にはメガソーラー事業を進めるためにニューガイアエナジー(株)を設立。以後、次々とメガソーラー発電所を設置、運営している。14年からはホテル事業に参入した。関連記事
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