2024年12月26日( 木 )

チェジュ島と日本を結ぶ直行便、消滅か?

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air 韓国への日本人観光客の数がここ数年で急減し、航空業界に大きな影響を与えている。現在、チェジュ~東京線を週4往復、チェジュ~大阪線を週7往復運航している韓国大手の大韓航空は、10月末から来年3月までの期間に、チェジュと日本の都市を結ぶ直行便を運航しないことを発表。韓国・チェジュ島と日本を結ぶ直行便の運航が、今年10月から全面的に中断されることが決定した。

 チェジュ島から日本への直行便は、2013年に、LCCの大阪線、昨年、大韓航空の名古屋線、福岡からもアシアナ航空で運航されていたが、すでに中断。今回の大韓航空の発表により、「全面的に」中断されることが決定したことになる。ある韓国人事情通は「ソウルや釜山は、日韓のビジネスや政治面での交流があるので直行便も残るが、チェジュは観光色が強い。中国との路線があるので、日本線中断は致命的とは言えないが、それでも隣国・日本からの直行便がストップすることは島の観光業界は痛い」と話す。

 今年は6月中旬までにチェジュを訪れた日本人観光客は約3万9,000人で、前年同期の約4万9,000人に比べ2割近く減少している。日本直行便の搭乗率も30%前後で、「赤字路線化」していた。今後、日本人がチェジュ島を訪れる場合は、釜山経由のルートが主要となる。このまま路線が「完全消滅」してしまうのか、今後の日韓関係の行方も影響しそうだ。

 前出の韓国人事情通は「日本は中国についで2番目のターゲットであり、肝心なのはあくまで『中国』。しかし、直行便がなくなれば、旅行会社やゴルフ場、ホテル業界などの顧客獲得数が減少し、チェジュ自治体の財政も厳しくなる可能性がある。しかし、韓国行政は日本を見切っているようなところがあり、少なくともパククネ政権の期間中に、対日本人向けの戦略が変更されるのは難しいだろう」と悲観的に話した。

【杉本 尚丈】

 

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