工藤会・野村被告を起訴、脱税2億4,800万円
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福岡地検は7月6日、特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)トップで総裁の野村悟被告人(68)=殺人罪などで起訴=ら2人を所得税法違反(過少申告)の罪で福岡地裁に起訴した。福岡県警が6月16日、野村被告人ら4人を同容疑で逮捕し、県警、福岡国税局、福岡地検が合同で捜査していた。暴力団が飲食店や建設業者から吸い上げた「みかじめ料」などの上納金から暴力団トップが得た所得をめぐって脱税で起訴するのは極めて異例。福岡地検は、2人の認否を明らかにしていない。
起訴されたのは、他に工藤会幹部で、野村被告人の現預金を管理していた山中政吉被告人(64)。伊藤明雄容疑者(41)、丸本竜治容疑者(41)は、処分保留で釈放された。
起訴状によると、2人は、野村被告人が2010年から13年にかけて工藤会への上納金から得ていた個人所得約6億2,900万円を隠し、所得税約2億4,800万円を脱税した。隠した金額(脱税金額)は、逮捕容疑の約2億2,700万円(同約8,800万円)の約3倍にふくらんだ。県警、国税、地検の合同捜査が功を奏し、解明が進んだ結果とみられる。福岡地検によると、野村被告人が所得を得ていた上納金には、傘下の組員から集めた「運営費」名目の上納金以外にも、工藤会が得ていたさまざまな収益が含まれる。福岡地検は「工藤会としての金の流れの全体として、さまざまな性質の金が入っていることが判明した」としている。
工藤会への上納金は「年間億単位」(吉田尚正福岡県警本部長)と言われる。福岡地検は、上納金総額について、公表していない。
上納金は、暴力団の資金獲得を支える基盤となっており、福岡県警は上納金の仕組みを解明し、工藤会壊滅への一歩としていく決意を示している。関連記事
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