広がる「安保法案反対」~柳澤協二氏が講演、若者はデモ
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安保法案の衆院通過後初の連休、内閣支持率が低下するなか、同法案に反対する集会やデモが福岡県内各地であった。19日は、福岡県内の地方議員でつくる「自治体議員立憲ネットワーク福岡」(代表世話人・荒木龍昇福岡市議)が福岡市内で、「安保法制と日本の将来」をテーマに講演会を開き、元内閣官房副長官補の柳澤協二氏が「迷走日本と集団的自衛権」について講演した。会場は立ち見の出る250人の参加者で埋まった。講演会後、渡辺美穂県議、佐々木允県議ら議員、市民らが天神IMS前で街頭活動を行った。
民意の抑止力発揮を
柳澤氏は、安保法案の体系を詳しく解説し、「政府は存立危機事態を『武力攻撃を受けた時と同等の被害』と言うが、武力攻撃を受けていないのに同等の被害が起きるのはあり得ない。今までの憲法解釈からは理解できない」と指摘。「安倍晋三首相が『抑止力が高まるので戦争にならない』というのは、自分に都合のいい結論をつなげたロジックで、詐欺だ。安全保障では成り立たない論理だ」と批判。「自衛隊の暴走よりも、政治が暴走しているのが問題だ」と語った。
柳澤氏は防衛官僚出身で、小泉内閣、第1次安倍内閣で、内閣官房副長官補を務めた。自衛隊の自衛隊のイラク派遣を統括した経験を踏まえて、「1発撃てば100発返ってくるのが現実だ。イラク派遣では、いわゆる戦死者が出なかった。もっと重要なのは、1発も撃たなかったことだ」と述べ、「イラク派遣以上のことをやれば、犠牲者が出る」と警告。「(安倍首相は)人の命をなんだと思っているのか」と、怒りをあらわにした。
法案の強行採決に対し、「民意の抑止力を働かせるしかない。自衛隊が海外で1発撃つまで時間がある。来年の参院選挙で、賛成した議員を絶対落とすことが、民意の抑止力につながる」と指摘。「怒りは冷めてしまう。戦争反対だけでなく、法案の中身を知って、自分はどうして反対なのか自分の気持ちをはっきりさせ、火種をたくわえて、それがやがて流れを変えると信じている」と呼びかけた。ツイッター見て若者がデモ
安保法案に反対する大学生ら若者が同日、ツイッターなどSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)で呼びかけて集まり、福岡市の繁華街・天神をデモ行進した。名前は「若者憲法デモ@福岡」。この日は、2回目の行動で、東京や関西で急成長している「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)の福岡版に発展しそうな勢いだ。
デモ行進の途中、土砂降りの雨になったが、参加者は、デモ出発前の約200人から400人に増加した。「戦争反対、憲法守れ」「言うこと聞かせる番だ、俺たちが」と唱和しながら、歩いた。
九州産業大学2年生(19)は、デモに初めて参加した。東京の若者の行動をニュースで見て、ツイッターで「福岡でも何かないか」と探して見つけた。「知っている人もいず、心細かったが、ほかにも『1人で参加した』という人と出会い、心強くなった」という。「戦争に反対。若者が借り出される。安倍さん(首相)ら、賛成の人は戦場に行かないのに、私たちや、私たちの子どもたちが行くことになる」と、不安を語る。
筑紫女学園大学3年生(20)は「戦争を米軍に弾薬、燃料を提供して、そのしわ寄せで国民は苦しくなる。社会福祉を学んでいるので、将来、戦争が出来るようになって、国民の暮らしが苦しくなるのを許せない」と話した。【山本 弘之】
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