2024年11月24日( 日 )

韓国旅行の外国人客、前年比40%以上減

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

news 韓国の旅行関連団体・韓国観光公社は、今年6月に韓国を訪れた外国人観光客の数は約75万人で、2014年6月の約127万人に比べ、約41%減少したと発表した。

 大きな原因は、中東呼吸器症候群(MERS/韓国ではメルスと発音)の発生で、国内のムードのみならず、海外からのインバウンドにも大きな影響を与えた。韓国人事情通は「昨年のセウォル号沈没事故に続き、MERSの発生は国に大打撃を与えた。悪い流れが続き、中には『パククネ大統領が悪い気を持っている』と表現している評論家まで出てきている」と話す。

 6月の外国人観光客の内訳は、中国が約31万人(前月比45%減)、日本が約10万人(前月比41%減)、アメリカが約6万人(前月比16%減)で、アメリカ人観光客の減少幅よりも、中国や日本などアジアからの減少幅が大きく、アジア諸国が「MERS発生」に対してより敏感に反応している。日本では、韓国との直行便の減便、休止が相次ぐなど「一時的減少」に留まらない状況だ。また、福岡市でも副市長の韓国訪問がMERSの発生により延期されている。

 一方で、MERSは約20日間にわたって新規感染者が発生しておらず、国の保健福祉部も終息に向かっていることを表明。航空会社は、運休していた日本、中国路線を徐々に正常化させる見通しだ。部分閉鎖されていた病院も、閉鎖措置を解除している。

 前出の韓国人事情通は「MERSは終息方向に向かっており、若干の安堵感が広がっている。しかし、今回の件でも、国民は国の対応や姿勢に不信感を抱いている。政府の組織づくりや癒着体質の監視体制など、韓国は国内で抜本的に改革しなければならない問題が山積している。膿を出し切らなければ、正常な国家とは呼べない」と話している。

【杉本 尚丈】

 

関連記事