抗日戦争ドラマ、中国で次々制作
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中国では、今年を「抗日戦争と反ファシズム戦争勝利70年」と位置づけ、国内の各所で記念活動を行っている。北京市盧溝橋では「抗日戦争記念館」が改装、「南京大虐殺」のコーナーも加えた。盧溝橋は1937年、日中戦争の発端となった盧溝橋事件が発生した地域だ。記念館設立式典で、習近平国家主席は「侵略の歴史を否定、美化する人間を中国人民は許すことはない」と、暗に日本政府を批判。その反面、記念館では、日中国交正常化の際の田中角栄首相や、昨年11月の習近平国家主席と安倍晋三首相の握手の写真なども掲示され「反日」のみがテーマとされた記念館ではないことも垣間見える。
一方で、メディア展開も盛んになっている。その一つが「ドラマ制作」だ。北京テレビ等では、抗日戦争を振り返るドキュメンタリーのみならず、大がかりな「特別ドラマ」を次々と制作している。テレビや映画の技術やロケスタジオが集積する映画村だけでなく、農村などをロケ地として選定し、クレーンカメラを使った大がかりな撮影を行っている。俳優、スタッフ、エキストラの数も多く投入され、映画さながらの展開となっている。
「抗日戦争・・・」と始まると、日本では「またか・・・」と辟易しがちな空気も漂うが、中国では、それが「反日」を示すのみのものではない。どちらかと言えば、「抗日」は、対日本批判よりも国民共通の話題として、ただ単に「対日戦争」がキーワードとして掲げられる傾向がある。「国民士気高揚」を狙ったものであり、日本を蔑むためのものというわけでもない。「悪気」「他意」「恨みの念」はさほど強くなく、巷の日本人に対しても、何食わぬ顔で「反日戦争」の話題をしてくるほどだ。
中国では9月3日を「抗日戦争勝利記念日」として、各国首脳を招待して記念行事を行う。すでに北京市では通行車両のナンバー規制を開始し、当日までの交通量抑制に入った。家屋の取り壊しも1,000カ所以上で実施。また、9月3日当日は、北京国際空港の離着陸も一時禁止する予定で、市民の交通にもかなりの影響が予想されそうだ。
【杉本 尚丈】
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