世界進出を加速させる韓国車載電池3社(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏世界から注文予約が殺到
EVの普及が本格化していくなか、今年から車載電池の供給不足が発生するのではないかという懸念の声があがっている。その理由は車載電池の歩留まり率がなかなか上がらないなか、米国のIRA法が施行されたからだ。
そのような状況下、LGエンソルは日本の自動車会社から相次いで電池の発注を受けた。日産、ホンダに次いで、同社はトラックメーカーのいすゞに1兆ウォン規模の円筒形電池を供給することとなった。この結果、LGエンソルが電池を供給するようになった自動車会社は現代自動車、GM、フォード、ルノー、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、ジャガー、テスラなど20社以上に上る。受注残高も300兆ウォンだ。
LGエンソルはこの10年間、5兆ウォン以上の投資を実行したし、特許も2万4,066件保有している。世界トップシェアのCATLは約4,000件の特許を保有しているので、同社はその約6倍もの特許を保有していることになる。
韓国電池3社への注目が高まっているなか、3社の昨年の売上高合計は53兆ウォン、今年は約74兆ウォンになることが予想されており、約20兆ウォンの成長が予想されている。
韓国の電池調査会社SNEリサーチによると、昨年9月時点の受注残高は約700兆ウォンだったが、今年は1,000兆ウォンを上回ると見込まれている。これは今後7、8年間の受注が確保されたことを意味している。
しかし、世界的なインフレ率の上昇、アメリカの利上げなどで、EV事業の成長鈍化を予想する専門家もいる。莫大な投資をした電池メーカーにとって市況の悪化が収益の悪化へとつながりかねない。そうなると、電池メーカーでは安売り競争が始まり、多くのメーカーが淘汰されることにもなるだろう。韓国の電池メーカーは、今後の電池市場が成長すると見込んで大きな賭けをしているが、それがどのような結果をもたらすかは誰にもわからない。
(了)
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