2024年12月23日( 月 )

三菱重工、国産ジェット機の開発中止「事業性見通せず」

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 三菱重工業(株)は7日、同社の連結子会社である三菱航空機(株)が取り組んでいた国産初のジェット旅客機「SpaceJet(スペースジェット)」の開発活動を中止すると発表した。
 同社が挙げた開発中止の理由は以下の4点。

(1)技術
 「開発長期化により脱炭素対応等の一部仕様見直しが必要」

(2)製品
 「海外パートナーからの必要な協力の確保が困難」

(3)顧客
 「北米でのスコープクローズ(航空会社・パイロット間の労使協定による機体サイズ等の制限)」

(4)資金
 「型式証明の取得にさらに巨額の資金を要し、上記市場環境では事業性が見通せない」

 今後の取り組みについては「CRJ事業での完成機事業への取組み」「海外OEMとのパートナーシップ深化」「完成機を見据えた次世代技術の検討」「FX(次期戦闘機)への知見活用」「愛知県にある施設・設備活用」を挙げている。

 なお、同社は「本件に伴う当社業績への影響は連結、個別とも軽微です」としている。

 また、同社は同日、2022年度第3四半期決算を発表。売上高は2兆9,380億4,600万円(前年同期比11.1%増)、事業利益は1,052億9,200万円(同30.3%増)、純利益は664億4,100万円(同32.8%増)で増収増益だった。

 23年3月期通期は売上高4兆1,000億円(前期比6.2%増)、事業利益2,000億円(同24.8%増)、純利益1,200億円(同5.7%増)を見込んでいる。

【新貝 竜也】

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