2024年12月19日( 木 )

九州地銀の2023年第3四半期(12月期)決算検証(2)

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 【表】は九州地銀17行(含むFG・FH)の2023年3月期第3四半期(12月期)の経営成績推移表である。なお、ふくおかFG傘下の「みんなの銀行」は、新しい形態の銀行(デジタルバンク)であり、計数から外している。

(1)金融グループ(FG・FH)の2023年第3四半期(12月期)決算について (以下、12月期と表示)
◆3金融グループの親会社に帰属する当期純利益の12月期合計は、前年同期比2,785百万円増の816億37百万円(同+3.5%)。
・当期純利益1位は、ふくおかFG(福岡銀行・熊本銀行・十八親和銀行)で、同▲115億26百万円の326億49百万円(同-26.1%)。
・2位は西日本FH(西日本シティ銀行・長崎銀行)で、同57億83百万円増の258億23百万円(同+28.9%)。
・3位は九州FG(肥後銀行・鹿児島銀行)で、同85億28百万円増の231億65百万円(同+58.3%)と大幅に上昇。ふくおかFGだけがマイナスとなっている。
◆ふくおかFGのシェアは40.0%。西日本FHは31.6%。九州FGは28.4%。

(1) 九州地銀17行の22年12月期決算について
◆九州地銀17行の当期純利益は、同27億85百万円増の816億37百万円(同
+3.5%)と微増。
・1位は福岡銀行。同▲145 億80百万円の335億79百万円(同-22.3%)。シェアは29.6%。
・2位は西日本シティ銀行。同▲26億13百万円の146億33百万円(同-15.2%)。シェアは12.9%。
・3位は肥後銀行。同69億81百万円増の141億38百万円(同+97.5%)と大幅な増益。シェアは12.5%。
・4位は鹿児島銀行。同18億85百万円増の98億96百万円(同+23.5%)。シェアは8.7%。
・5位は宮崎銀行。同24億86百万円増の83億円(同+42.8%)と大幅な増加。シェアは7.3%。
・6位は十八親和銀行。同▲7億94百万円の72億26百万円(同-9.9%)。ふくおかFG傘下の十八銀行と親和銀行が20年10月1日に合併して誕生。シェアは6.4%。
・7位は佐賀銀行。同24億33万円の61億33円億円(同+65.8%)大幅な増加。
シェアは5.4%。
・8位は大分銀行。同▲1億19百万円の51億17百万円(同-2.3%)と微減。
シェアは4.5%。
・9位は熊本銀行。同3億22百万円増の41億82百万円(同+8.3%)。シェアは3.7%。
・10位は北九州銀行。同14億78百万円増の41億1百万円(同+56.3%)。シェアは3.6%。
◆以下の銀行の22年12月期の当期純利益は20億円を割っており、シェアは省略する。
・11位は宮崎太陽銀行。同▲1億61百万円の15億6百万円(同-9.7%)。
・12位は豊和銀行。同▲5億31百万円の10億11百万円(同-34.4%)。
・13位は福岡中央銀行。同2億99百万円増の9億88百万円(同+43.4%)。同行の歴代頭取は福岡銀行出身者が就任しており、今年10月にふくおかFGと経営統合し、完全子会社となる。
・14位は南日本銀行。同▲11億91百万円の8億1百万円(同-59.8%)
・15位は佐賀共栄銀行。同▲44百万円の7億51百万円(同-5.5%)。
・16位は筑邦銀行。同1億9百万円増の7億46百万円(同+17.1%)。
・17位は長崎銀行。同2億59百万円増の3億28百万(+375.4%)と大幅な増益。西日本FH傘下行。
◆九州地銀17行のうち、金融グループ傘下行は9行。単独行は7行。内訳は第一地銀4行。第二地銀4行となっている。

おわりにかえて
 2020年11月27日、同一地域の地方銀行同士の合併に独占禁止法を適用しない特例法が施行された。九州で現在、独占禁止法が適用されない県は、宮崎県、大分県、佐賀県、鹿児島県の4県。宮崎県は宮崎銀行と宮崎太陽銀行。大分県は大分銀行と豊和銀行。佐賀県は佐賀銀行と佐賀共栄銀行。鹿児島県は金融グループ傘下の鹿児島銀行と南日本銀行は経営統合することができるが、福岡県では筑邦銀行はボリュームが小さく、県内の他行と経営統合しても生き残るのは難しい状況にある。そうであれば、福岡県への進出を望んでいる佐賀銀行との経営統合を積極的に進めれば、生き残る余地は大いにありそうだ。

【表】九州地銀の2023年3月期第3四半期(12月期)の経営成績推移表
【表】九州地銀の2023年3月期第3四半期(12月期)の経営成績推移表

(つづく)

【(株)データ・マックス顧問 浜崎 裕治】

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