2024年11月24日( 日 )

言葉の壁をなくしつつある翻訳テクノロジー(後)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏

世界の展示会で利用

チャットボット イメージ    1月にラスベガスで開催されるCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)を筆頭に、世界中でさまざまな展示会が開催されている。企業は顧客開拓の一環として展示会にブースを出展し、自社商品を世界にアピールする。また、出展まではしなくとも、多くの人が展示会に参加して、新しい情報や製品に接したりする。

 しかし、こうした展示会でも壁になるのは、やはり言葉である。さらにコロナ禍で、ここ数年は、その展示会にすら参加できなかった。企業は展示会に参加するため、海外への出張費用など高い費用をかけてきたが、コロナをきっかけに、展示会をオンラインで開催するのはどうだろうかというアイデアが浮上した。

 オンラインなら、いつでも製品を展示でき、顧客とリアルタイム翻訳機能を使ってコミュニケーションが取れるので、とても便利である。同社のサービスは世界初で、サービス名は「エニーエキスポ」である。同社のプラットフォームを利用すると、少ない費用でブースを出すことも、商品を展示することも、海外顧客の問い合わせに回答することもできる。現在各国の政府機関がこれに興味を示し、問い合わせが殺到しているという。

利便性を高めた活用事例

 リアルタイム翻訳サービスも画期的であるが、今回は翻訳サービスにすでにモバイル決済などでよく使われているQRコードを組み合わせて利便性を高めた。

 通常、アプリを使用しようとすると、チャットアプリをダウンロードしてインストールしなければならない。しかし、お店にQRコードのシールを貼っておき、ユーザーがスマートフォンでQRコードを読み取ることで、アプリをダウンロードすることなしに、チャットルームが設けられ、自国語で店員に質問することが可能となる。言葉の壁をなくしてくれるので、お店にとっては、売上増につながるし、顧客にとっても店側と円滑なコミュニケーションが取れるなどメリットは大きい。非常に簡単で、導入コストもそれほどかからず、売上の増大につながる良い方法であるため、韓国では済州島などの観光地が採用を積極的に検討している。

 国際eスポーツ連盟(IeSF)は、アクティブユーザーだけでも4億人ほど抱えている団体だが、ゲームを楽しむ上でもコミュニケーションが欠かせないので、同団体では、外国人同士のリアルタイムコミュニケーションツールとして、同社サービスの採用を決定している。今後、同社のリアルタイム翻訳ソリューションはさまざまな分野で活用されることになりそうだ。

(了)

(前)

関連キーワード

関連記事