【福岡IR特別連載119】大阪IR、岸田政権、予想通りの政府承認
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筆者の昨年からの予想がまた的中した。延長に延長を重ね、無期限の延長を強いられていた「大阪IR」と「長崎IR」の政府承認問題は、この統一地方選挙後の近日中に「大阪IR」のみの承認で完結するだろう。
これは、当初から解説しているように「安倍・トランプ密約」から始まり、現状の「日米経済安全保障問題」の下、台湾有事、ウクライナ侵攻、米中覇権争いといった国際環境に加えて、今回の統一地方選挙における大阪府知事選ならびに府議選、大阪市長選ならびに市議選の結果として、「大阪維新の会」が圧勝したことを背景とした政府承認である。
大阪IRは、米国MGMとオリックスを主たる投資資本とするコンソーシアムによる運営事業者であり、そこに関西電力、大阪ガス、サントリーなどの地元資本が加わる“政府指導通りの組織構成”である。
一方の長崎IRはというと、当初から「HISの澤田氏」に振り回され、「重要土地利用規制法」の施行直前(昨年9月15日施行)に、香港に本社をもつ中国習近平共産党政権に近い投資会社PAGにハウステンボスの所有権が超高額で転売譲渡された結果として、政府承認から外されるというお粗末な帰結の見込みとなった。まさに前長崎県知事と佐世保市長をはじめ各関係者全員は「寝首を掻かれた」ようなものなのだが、要は重ねて説明している通り、「HIS澤田氏の4階「鶴の間」飛翔1人勝ち」なのである。
従って、審議会は長崎IRについて現在検討中と伝えてはいるものの、これも前から解説しているように、“長崎IR計画は事実上すでに崩壊”しているのである。本件事業の主たる投融資主体となる予定であったクレディ・スイスの経営不安とUBSによる買収は、資金源の頓挫というダメ押しとなって、長崎IRに致命傷を負わせた。そのダメージは大きく、政治的影響は避けられないが、その結論はあえて、統一地方選の後半戦として行われる佐世保市長選ならびに市議選を終えるまで明らかにされないのだと思慮する。
これも重ねて何度も解説しているが、IR事業は、広大な後背地人口を有する東京都中心の関東都市圏、大阪市中心の関西都市圏、さらに福岡市中心の北部九州都市圏の3カ所しか採算が合わないのだ。所詮、地方の中小都市では不可能だと解説してきた通りだ。
ただし、近い将来は実店舗型と仮想空間利用のインターネットオンラインゲームプラットフォーム併設のIR事業になることも間違いなく、我が国の公営ギャンブルの民間委託の伸びをみても、その実現は近年中に実行に移されるだろう。いつまでも「ギャンブル依存症」を理由に反対している場合ではない。
もし大阪IRに、MGMリゾートのインターネットプラットフォーム型が設置されることとなれば、その売上、税収は莫大なものとなることは必然である。もう、いい加減に各関係者は、我が国の常識が世界に通じないということを理解すべきだ!
【青木 義彦】
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