八女市議会 新議長に橋本氏選出 執行部との関係に懸念も
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統一地方選挙で改選された八女市議会(定数22)の正副議長選挙および各常任委員会、議会運営委員会の正副委員長の選任が行われた。既報(「八女市議会新議長 保守系が橋本正敏氏を擁立 新議長選出見通し」)の通り、保守系会派が推す橋本正敏氏(61)が議長に選出され、副議長には、同じく保守系の高橋信広氏(74)が議長の指名を受け就任した。
議長選では、最大会派で保守系の「新風」による候補者の一本化が行われ、水面下で自治労福岡県本部の組織内議員でもある川口誠二元議長らリベラル系と橋本氏など一部保守系による会合がもたれた。今回、リベラル系が橋本氏に投票する代わりに、議員定数の削減など市の執行部が望む方針を保守系が受け入れると約束したとされており、市長と距離を置く保守系議員の間には、執行部寄りの議会運営が行われることへの懸念がある。
ある市議は「二元代表制といいながら議会が市長の追認機関であるのなら、何のための議会なのか。財源を考えず箱モノをどんどん建て、肝心な雇用創出などは進まないのであれば市民からそっぽを向かれる。執行部と職員労組に寄った議会運営を行うならば、議長の不信任もあり得る」と語った。
福岡県内で北九州市に次ぐ面積を有する八女市は、人口減少や雇用創出、公共交通の維持など課題は多く、国や県との関係強化が求められている。とくに筑後市と接する西部地域の住民からは、中心市街地優先の施策に不満の声が挙がっている。
議員定数の安易な削減は、組織票を持つ議員を有利とし、議会において彼らが多数を占める状況を生み出しかねず、それにより幅広い市民の声が議会に届かなくなることが懸念される。新議長に就任した橋本氏の議会運営の手腕が問われることになる。
【近藤 将勝】
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