年配の北九州市議らから批判が相次いだ福岡9区自民党会合
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今月にも解散が行われるとの情報が飛び交う中、自民党福岡県連は12日、衆院選に向けて、支部長が空席となっている福岡9区について事実上の候補者の公募を来週から始めることを明らかにした。
先月27日付記事「【6月衆議院解散へ】福岡の衆院選情勢~福岡9区」でも取り上げたように、同区は参議院議員・大家敏志氏が衆議院への鞍替えを狙っているほか、武内和久・北九州市長 に近い三原朝利・北九州市議が国政への転出をうかがっている。このままいくと保守分裂になると、関係者は気をもんでいる。
10日に北九州市で開催された自民党福岡県連9区支部の会合で、三原市議が次期衆院選に立候補する意向を表明した。同支部は候補者の公募と党員投票の日程案を決めたが、三原氏は、たとえ投票で敗れても無所属で出馬すると主張し、出席していた自民党市議たちから批判の声が挙がったという。「9区には緒方林太郎氏という強力な人物がいる。保守分裂になって負けてしまうような事態になれば、議席奪還は難しくなる 」といった指摘もあった。
45歳の朝利氏にしてみれば年長の市議たちからの批判だが、それでも立候補の決意は固く、一歩も引かない構えである。
会合で決まった公募の流れとしては、今月下旬に公募を行ったうえで9区内の党員2,830人を対象に投票を行い、7月13日に次の衆議院選挙の候補者となる支部長を決める、という段取りになった。
会合には、自民党県議団会長で八幡西区選出の松尾統章氏と、前支部長の三原朝彦前衆議院議員も出席していたが、朝彦氏は甥の朝利氏の「あくまでも出る」との発言に異議は唱えなかったようだ。一方、松尾氏としては、北九州市長選に続く保守分裂は避けたいところ。「党員投票は、議員も含めて1票。これ以上ない民主主義の手続き」と強調し、「公平でフェアな党員投票をお願いしたい」と述べている。
そもそも今回の支部長をめぐる一件も、北九州市長選挙の際に三原氏が県連推薦の元国交官僚ではなく武内氏を推したこと、そして、同氏が当選した際に自民党の北九州市議団が処分を求めたが、県連が態度を明確にしないままきたことに発する。
三原氏も大家氏も麻生太郎自民党副総裁に近い。関係者によると、麻生氏は勝てる候補を立てるべきと考えており、三原氏がその意中の候補だという。
そうした空気を察してか、大家氏は態度を明確にしていない。昨年7月の参院選で再選された同氏にしてみれば、あと5年任期が残っている。親分の麻生氏の意向を含め、形勢を見極めながら今後の身の振り方を考えようというのが本心ではないか。
自民党内の話をよそに、粛々と活動を続けているのは緒方林太郎氏である。元外務省職員で政策にも明るく、保守層の支持も得られる。現在無所属で、立憲・国民どちらにも所属していない。相手が誰になろうと受けて立つ覚悟だろう。
【近藤 将勝】
法人名
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