吉松福岡県元議長、衆院福岡4区から立候補を正式表明
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自民党県議団、支援を表明
元福岡県議会議長の吉松源昭・福岡県議会議員は17日、同県福津市で記者会見を開き、次期衆院選で福岡4区から立候補することを正式に表明した。
吉松氏は福岡県須恵町出身。渡辺具能・元衆議院議員(4区選出)の秘書などを経て、2003年に県議会議員(糟屋郡選出)に初当選。現在6期目で、20年6月から21年6月まで県議会議長を務めた。
記者会見に先立ち、福津市文化会館・カメリアホールにて、福岡4区自民党県議団政経セミナーが開催された。同セミナーには、江口勝・福岡県副知事をはじめ、松本國寛・県連会長代行、松尾統章・自民党県議団会長、田辺一城・古賀市長、原崎智仁・福津市長など、自民党県連幹部や周辺自治体首長が駆けつけたほか、多数の来賓が出席していた。
松本県連会長はこのなかで、「故郷を愛してやまない吉松源昭君、今朝の新聞に載っておりましたが、このままでは故郷に愛情を感じない、自分が国政に出てこの故郷のために働きたいんだということが新聞に出ておりまして、びっくりしました。数年前から地元支部からの候補者差し替えの声も聞いておりました。しかしながら、我々自由民主党という組織にはルールがございます。党本部と協議し、公認を得てからではないと出馬はできないということであります。そういったルールのなかではありますが、松尾県議団会長も申しましたように、自民党県議団でしっかりと支えていきたいとの言葉をうかがいました。公認が得られるように我々も力を尽くしていきたい」と述べつつ、吉松氏を自民党県議団として支えていく意向を表明した。
一部報道を邪推と否定
予定時間よりもやや遅れて始まった記者会見には、地元に支局をおく新聞社をはじめ、各種メディアから福岡県政を担当する記者などが多数詰めかけており、関心の高さを物語っていた。
会見にあたって吉松氏は立候補表明の文書を配布し、「次期衆院選に自民党の公認を求めて不退転の決意で臨む決意をした。13時半よりこのカメリアホールにて自民党糟屋支部の役員会が開催された。私から次期衆院選に福岡4区より立候補したい旨、ついては糟屋支部の推薦を党県連に上申してほしい旨、申し出を行った。地元の自民党県議として野党以外の選択肢を示したい。今回は政権選択ではなく、人物選択を国民に問いたい」と述べた。
吉松氏はまた、西日本新聞が16日付記事で示した“吉松氏の立候補表明は武田良太氏と麻生太郎氏の代理戦争”との見方や、本サイトも「吉松県議、福岡4区立候補の背景に県議と国会議員の争い」で報じた、自民党県連内における国会議員と県議団の勢力争いが背景にあるとの見方を、「邪推」であると切り捨てた。
セミナーと会見に出席し、吉松氏の故郷を思う気持ちを直接聞いた筆者としては、今回の同氏の態度が長年にわたって温められた真剣な志に裏付けられたものであることに疑いをはさむ余地もないが、とはいえ複眼的視座が求められるのが政治の世界。政策や政治目標を同じくする人々が集まり政党や派閥を形成するが、ここほど筋論や義理人情が重んじられる世界はないだろう。とくに自民党は、党内にさまざまな考え方を包含する政治集団である。これまでは安倍晋三元首相がその役回りをしていた。
吉松氏はこのたび、現職の宮内秀樹衆議院議員がいるにもかかわらずその差し替えを求め、党本部が公認しない場合でも無所属でも出ると宣言した。記者会見には同じ4区選出の県議が同席し、吉松氏を県議団として支えたいという声もあるいじょう、地元メディアの見解は「邪推」とばかりはいえまい。
福岡4区だけでなく、福岡9区など全国各地で自民党内の勢力争いが表面化しているのは、野党のふがいなさも大きいが、自民党内をまとめる力をもった政治家がいなくなってきていることの表れではないだろうか。とはいえ、有権者にとっては選択肢が多いことはもちろん悪いことではない。大いに政策論争を展開していただきたい。
【近藤 将勝】
法人名
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