ロッテG、主力企業の格下げで流動性危機の恐れ(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏その結果、昨年の第2四半期からずっと赤字を垂れ流している。当分の間、業績は改善される見込みは薄く、不況が長引くことが予想されているので、格付け機関ではロッテケミカルの格付けを下げたのだ。業績は悪化しているなかで、投資で資金需要は増えているので負債は増加するだけだ。
ロッテケミカルは、今年から2025年まで3年間年平均4兆ウォンの設備・持ち株投資を実行する計画だ。ロッテケミカルは今年に入って車載電池の素材メーカーであるロッテエナジーマテリアルズの持ち株を2兆4,000億ウォンに引き受けただけでなく、インドネシアで超大型石油団地を造成するラインプロジェクトに1兆9,000億ウォンを投資した。
グループの資金繰りで大きな役割をはたしていたロッテケミカルだっただけに、このようにロッテケミカルの財務状況が悪化すると、グループ全体の業績が悪化するのではとの懸念が生じている。すなわちグループ全体の資金繰りの悪影響を懸念して、今回の格付けがなされたわけだ。
今後グループ経営の行方
いずれにしても、ロッテグループは満期を迎えた債権に対して、もっとよい条件の借り換えは難しく、利回りが上昇することは間違いないだろう。ロッテグループの社債発行残高は22兆8,300億ウォンで、社債の規模は現代自動車グループ、SKグループに次ぐ3番目である。これだけの社債を抱えているロッテグループにとっては、今回の格下げによる利子の増加は大きな財務負担になるだろう。
ロッテグループの社債は、ロッテケミカルが2,800億ウォン、ロッテ持ち株が1,000億ウォン、ロッテレンタルが1,300億ウォンなど、今回格付けが下がった企業だけでも、5,100億ウォンに上る。それに、建設景気の低迷も長期化する恐れがあり、ロッテ建設の火種も完全に消えたわけでもない。
輸出を中心とする韓国経済の成長モデル自体が限界にきており、貿易収支も16カ月連続で赤字となっている。ロッテグループほどの有名財閥企業も流動性危機が噂されている現在、韓国では今後何か起こってもおかしくない不気味な経済状況が続いている。1997年のアジア通貨危機を前後に、韓国経済は大きな変革を余儀なくされたが、今回そのような危機が韓国経済に再び忍び寄っているかもしれない。
借り入れの延滞率の増加、資金繰り悪化による中堅建設会社の倒産など、危機の兆しはいろいろなところで感知されている。ロッテグループは今回の危機を乗り越えてもう一度飛躍するのか、市場関係者は固唾を飲んで推移を見守っている。
(了)
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