2024年11月24日( 日 )

北朝鮮の動静によって乱高下するパク大統領の支持率

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korea 韓国の世論調査によると、パク・クネ大統領支持率が軒並み急上昇している。韓国の支持率調査機関によると、30%近い数字だった支持率は、直近のデータで50%近くまで跳ね上がっていると発表した。韓国マスコミは、要因として、北朝鮮との南北高官会談で戦争を回避したことを挙げている。

 ある韓国人ジャーナリストは「今回の南北対話は『パフォーマンス』に近い。北朝鮮は『米の支援』などを求める時に、アクションを起こしてくる。パク政権にとっても『渡りに船』で、国内政治が不調だっただけに、国民の関心を結果的に『北朝鮮』に向けることができた。今回の件は、保守、リベラルともに新聞、テレビニュースは北朝鮮一色に染まっていて、国民の関心は、国内問題から遠のいた」と話す。

 韓国世論は従来、「北朝鮮」の影響を受けて形成されやすい側面を持っている。大統領支持率は北朝鮮との有事を回避するたびに上がる。前述の韓国人ジャーナリストは「別の報道機関でもやはり同様の支持率が報じられている。韓国国民の反省すべき点として、対北朝鮮の有事に左右されやすいところが挙げられる。戦争が回避されたというだけで、国力が上がっているわけではないし、そもそも『戦争』などというシナリオを国民は真に受けていない。韓国政治が腐敗体質から抜けきれず『先進国』と呼べないところは、そういったまやかしレベルの『支持率』に左右されているからだ。パク政権に入ってからも景気対策は進んでおらず、国民は関心をそらされるべきではない」と懸念している。

 パク大統領は、9月3日に中国で開催された「抗日戦争勝利記念式典」にも出席した。そのほか、国連事務総長のパン・ギムン氏も出席するなど、韓国の要人が、中国・習近平国家主席と、今後どの程度の歩み寄りを見せていくのかに注目が集まっている。

【杉本 尚丈】

 

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