戻った外国人で活気を取り戻した明洞(ミョンドン)(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏コロナ以前の明洞と、その後の変化(つづき)
韓国観光公社の集計によると、今年3月に韓国を訪れた外国人観光客は80万575名。前年同期が9万6,768名だったから、727.3%増加したことになる。コロナ前の盛況を完全に取り戻したとはいえないが、少しずつ回復に向かっているのは間違いない。
たとえば、明洞は化粧品を販売する店舗が多かった。つまりK-Beautyの代表的な場所だったのである。マスクシートを筆頭に、韓国の化粧品は外国人に愛され、多くの外国人観光客がこれを明洞で買い求めた。だからコロナウイルス感染症拡大で外国人の来訪が途絶えた時、多くの化粧品ショップも閉鎖されたのだが、ここへきてひとつ、またひとつと開店。以前ほどではないにせよ、明洞に活気が戻っている。
外国人観光客が戻り、売上にも変化が
明洞には、韓国を代表する流通企業である新世界デパートとロッテデパートがある。新世界デパートは日本の三越デパートをそのまま使っていたデパートしても有名で、現在はクリスマスツリーなどで人気スポットとなっている。ロッテデパートは日本人にもおなじみ。ロッテホテルとも隣接していることもあり、最上階にある免税店はいつも多くの人で賑わっている。
今年1月~4月の売上高を調べてみると、新世界デパートの売上高は、前年同期対比で12倍も伸びている。ロッテデパートも同様に、前年同期対比で8.3倍の売上高の増加を示していた。「オリーブヤング」という、化粧品と健康食品を売っているチェーン店では、今年3月の売上高を集計してみたところ前年同期対比で何と39倍も伸長していることが分かった。昨年4月にソーシャルディスタンス政策を取りやめたのち、5月から売上高が回復していた。
業種別に売上高を集計したところ、面白いことに医療への支出が一番多く、次は食費であった。明洞はプチ整形の聖地でもあったわけだ。アディダスコリアは明洞にフラッグシップショップを出し、平日には2,000人、週末には4,000人が訪れている。以前は明洞を牽引するのは化粧品ショップだったが、今後は何が明洞をリードすることになるのか、深く考える必要があると専門家は指摘している。
明洞でしか経験できない、明洞といえばこれ、とすぐ頭に浮かぶような、良いコンテンツをつくっていくことが、今後の明洞にとって大事になってくるだろう。時代が大きく変化していくなか、明洞はどのようなことを世界にアピールするのか、考えていく必要がある。明洞が再びソウルを代表する韓国スポットとして復活を遂げるのか、今後の展開に目が離せない。
(了)
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