酸素を取り入れる新しい方法(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉 明鎬 氏結合型酸素と溶解型酸素
酸素を体に取り入れる方法には2つがある。1つ目は呼吸によって酸素を取り入れる方法だ。呼吸によって取り入れる酸素はヘモグロビンと結合して運搬されるので「結合型酸素」という。ところが、呼吸によって体に取り入れられる酸素は、空気に入っている酸素の20%くらいしか人体に吸収されないという。そうかと言って、高濃度酸素を直接肺に入れると、肺や気管支がダメになるので、それもできないという。
呼吸以外に、酸素を取り入れるもう1つの方法は、酸素を水に溶かして飲む方法だ。水に溶け込んでいる酸素を「溶解型酸素」という。ところが、水に溶かした酸素を体内に取り入れるには、現実的に2つのハードルがある。1つは、水に溶けた酸素は時間の経過とともに気化して、水から抜けてしまうことだ。水のなかに酸素を溶け込ませた酸素水という商品があったが、流通過程で酸素が抜けてしまい、効果があまりなく、それほどヒットしなかった。もう1つは、酸素は濃度が80PPMになって初めて血管から細胞に入るようになることが米国デューク大学の研究で判明した。水が100℃にならないと沸かないように、酸素も80PPM以下では、細胞に吸収されないというのだ。
この2つのハードルを乗り越えるため、世界各国で研究が行われた。その結果、数年前に韓国で高濃度酸素をカプセルに入れることに成功した。99.97%の高濃度酸素が入っているカプセルにデバイスで穴を開け、その際に大きな圧力で酸素を水に溶け込ませる。そうすることで、高濃度の酸素が溶け込んだ水を体に取り入れることができるようにした。カプセルにする過程で、酸素を150気圧程度の高気圧で凝縮するので、開発段階ではカプセルが破裂してしまったりしてかなり苦労をしたらしい。カプセルに入っている酸素の量は550ml(気体時)。高濃度酸素を溶解水で取り込めるようにした画期的な方法である。
先ほど呼吸で取り入れた酸素は20%くらいしか吸収されないという話をしたが、水で酸素を体に取り入れる場合、すぐ吸収されるだけでなく、何と96.7%が体に吸収されるというから驚きである。
酸素が不足すると
酸素が不足すると、まず体が疲れやすくなったり、集中力が落ちたりする。体は少しでも多くの酸素を取り入れようと、あくびをしたり、息が荒くなったりする。それに酸素が不足すると、栄養素の分解が完全に行われないので、脂肪が減りにくくなり、ダイエットなどをしても効果があまり上がらない。さらに、酸素不足は老化の原因にもなる。逆に酸素が十分に供給されると、疲れは取れやすくなるし、急速な老化を食い止めることにもなる。酸素は免疫力も高め、ガンの発生や転移を防ぐことにもつながる。米国などでは、高圧酸素治療でガンや糖尿病をケアする専門病院まで現れ、その効果が話題となっている。これからは酸素の働きにもっと注目し、酸素を活用した健康管理に気を遣うのも良いかもしれない。
酸素は即効性があり、頭痛のある人が飲むと、30分後には頭がすっきりするような経験ができる。酸素に対する研究や論文は多くあり、酸素の働きを究明した研究がノーベル医学賞を受賞するなどしている。しかし、実用性をともなった効果についての検証が追い付かないために、良いものが日の目を見ないことが多いのも現実である。
筆者は科学者ではないが、酸素カプセルに最初接したとき、正直に言うと半信半疑であった。しかし、多くの人が効果を実感しているとの話を聞いて、考えを改めるようになった。酸素は薬理的なものではないので、体内での複雑な薬理作用による副作用は起こりにくく、水は誰でも飲むことができるので、試してみて損はないだろう。これから酸素カプセルの時代が到来するかもしれないと密かに期待をしている、酸素が健康や美容、老化防止に欠かせない切り札になるかもしれない。
(了)
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