経営危機の台湾新幹線に今冬「新駅」が誕生
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台湾交通部は、これまで新しく建設が進められていた台湾新幹線(高速鉄道)の「苗栗」、「彰化」、「雲林」の各駅の工事が完了したことを発表。毛治国・行政院長は、「3駅の営業開始で市民の生活圏が拡大する。乗客に安全、快適で上質な服務(サービス)を提供できる」と述べた。
新駅開業で「リピーター」の日本人観光客にとっての利便性は若干高まる予定だ。3駅はいずれも台湾中西部で都心部に位置してはいないものの、苗栗を起点とすれば「客家(ハッカ)文化」「温泉」、彰化を起点とすれば「台湾の穀倉地帯」「台湾ランタンフェスティバル」、雲林からは「伝統的な廟」を旅行、堪能することができる。桃園国際空港から新幹線桃園駅までバスで15分、首都・台北を経由せずに、これらの3つの地点に向かうことができる。しかし、台湾新幹線は便数が少ないため、事前に時刻を確認しておくのが望ましい。
一方、新駅の開業に関しては、追い風ムードだけではなく、逆風や非難の声も根強い。都心とは離れた場所に新駅を作ることで、マンションやショッピングモール建設も誘導し、「街作り」までも計画する予定だったが、遅々として進まず、現時点では失敗に終わっている。台湾中南部の新幹線駅では「建設予定」の更地ばかりが増えている。国民の間では「値段が高すぎる」「いまさら新駅を作ったところで利用者は少ない」「赤字が増幅するだけ」「新駅に止まることで、重要な台北〜高雄の所要時間が長くなるのでは」といった反対の声も少なくない。台湾新幹線は、経営危機も取りざたされており、国の支援にも依存している。運営側としては、新駅の開業を起爆剤にしたいところだ。
波紋を呼んでいる台湾新幹線の「苗栗」、「彰化」、「雲林」の3駅は今年12月開業が予定されている。
【杉本 尚丈】
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