武器輸出で著しい成果を出している韓国(前)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏武器輸出で世界8位にランクされた韓国
韓国の防衛事業庁の発表によると、2010年~2020年における韓国の武器輸出金額は年間30億ドルに過ぎなかった。ところが、2021年には突然70億ドルに急増したかと思うと、その次の年はまたその2倍以上の成長を記録し、輸出額が173億ドルとなった。この金額は過去最高。韓国はこれにより世界防衛産業市場で、市場シェア2.8%を占めるようになり、世界8位にランク入りした。
冷戦が終結し、大きな戦争がなかったため、武器の輸出は伸び悩んでいた。ところが、韓国はそのような状況下でも、武器輸出を続け、武器輸出の成長率において世界1位となった。韓国は防衛産業を今後も成長する有望産業と見なし、政府主導で積極的に育成し、世界4位に入るという目標を掲げた。
韓国は昨年、ポーランドと合計124億ドル相当の武器契約を締結した。韓国の戦闘機、戦車、ロケット、自走砲などをポーランドに供給する契約内容である。韓国の産業通商資源省では、今年も昨年を上回るような武器輸出をしたいという目標を掲げている。韓国政府も防衛産業の育成にむけて本格的に動き出し始めた。
武器生産の歩みとその成果
韓国は戦争の脅威が現実的に存在する数少ない国の1つである。北朝鮮に対峙しているため、韓国では国と国民を守るため戦闘能力を向上させることが平時からの課題である。そのような状況下で、韓国の武器産業は育成された。
北朝鮮の武器はロシア製が基本になっているが、韓国の武器といえば、最初は米国から供与されたものであった。その武器を韓国で生産しはじめたのが今からちょうど50年前のことである。しかし、50年が経った現在、韓国は武器の生産において世界的な競争力を持つ国にのし上がったわけだ。
韓国の武器がこのように競争力をもつようになった背景には、韓国世界有数の経済力をもつようになったことと、韓国の技術力が世界的なレベルに向上したからだ。今でも武器の品質において先進国の技術力にはおよばないものの、韓国の武器は安く、性能も良いので競争力がある。
とくに、韓国はサムスンやLGのような世界トップレベルの企業を抱えた電子産業、それに大型船舶を建造できる造船産業、すそ野の広い自動車産業など、製造力を備えた国なので、武器の生産においてもその強みを生かし、大量かつスピーディーに納品できるようになっている。
武器のなかでも、人気のあるK2戦車、K9自走砲、FA50戦闘機などは、先進国を100とした際に、95のレベルに達しているという。性能では先進国の武器と比べてあまり変わらないのに、価格は最大で半額以上安いので、武器を購買する側にとっては魅力的選択肢となっている。
(つづく)
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