【まるの会・一條氏のコンサル資質に疑義(12)】あなたは天才科学者についていきますか?
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世間には物好きな人がいるものだ。ゲテモノ食いや、スピード狂、牛乳瓶のフタを集める人から、後生大事そうに抱えた大金を最後はドブに捨てたくてたまらない人まで世の中にはいる。そのような次第だから、人が良かれと思って忠告したことを、怖いもの見たさに馳せ参じ、すっかりミイラ取りがミイラになって帰ってくるという事例にも事欠かない。そんな実例を目の当たりにすると、日頃当社が盛んに発信しているニュースも、最終的には人にどのような導きを与えているだろうかと、心許ない気にもなる。
当社は11月28日に開催される某セミナーについて、「気を付けて」と散々警告を発してきたわけだが、人の好奇心は止められない。開催日の当日中に、早速当社に参加報告が寄せられた。しかも鬼の首を取ったような勢いで、参加の感想をまくし立ててきたのである。
参加したKによれば、会場は盛況で、100名ほどの人が集まって席が足りないほどだったという。そのなかで、スリーダムアライアンス(以下、3DOM)の松村明彦氏や、TESNOLOGYの近藤克彦氏、それからNTT元取締役のIも登壇した。また、会場では風力発電と新技術のバッテリーを組み合わせて乗り物を動かすデモンストレーションも行われたという。
Kの感想によると、松村氏らが説明する、地球温暖化を始めとしたさまざまな課題の解決に挑戦する3DOMの取り組み姿勢に、何の違和感も抱かなかったそうだ。むしろ何が問題なのかを説明してほしいと、対応した当社のB記者を問い詰めたという。
Bはそれに対して、3DOMの10期にわたる決算や、上場したnoco-nocoの株価、3DOMと関係が深い〇の会の一條氏についても説明した。だが、Kはもうそれについては聞き飽きたというように反駁を始めた。それによると会場には、いずれも情報通信のスペシャリストである東京大学名誉教授のAや、慶応大学の現役教授であるYも来ており、壇上に上がってアメリカのスタートアップの活況と、日本でスタートアップを支えることの意義について話をしたという。
Bがそれに対して、スタートアップとして支えるだけの価値が3DOMにあるのかどうかと切り返すと、Kは、「天才科学者の近藤氏がいるのだから」とうっかり漏らした。すかさず、Bがそれは誰が言ったのか尋ねると、「オーナー(松村明彦氏)が何度もそう言っていた」と、自ら口を滑らせたことを恥じるようにこぼしたという。Kは気を取り直して、すでに何百億と投資した新技術に参加するのは勝ち馬に乗るようなものだと豪語したそうだ。
Bもあきれて、「どうぞご勝手に」と最後は突き放したようだが、KはBに食い下がって、「なぜそんなに3DOMを信じられないのか説明してほしい」と聞き返したという。つまりは、Kも保証が欲しいらしい。
結局KはBの忠告には納得できずに電話を切ったようだが、さて、Kがこの後どうするかは分からない。
あ、ひょっとしたらBからこれを伝えて貰えばよかったかもしれない。3DOMでどうやら10月に給与の支払い遅延が発生したらしいという話を。しかし、Kは3DOMを信じたいようだから何を言っても無駄だっただろう。
【寺村朋輝】
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