【福大医学部教授選挙(1)】既定の教授候補の資質に疑義
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データ・マックス(以下、当社)あてに福岡大学の内部に関する新たな情報が寄せられた。
明日(12月20日)、福大医学部で教授の選挙が行われる。精神科の後任教授を決める選挙で、候補者はX、Y、Zの3人。選挙では医学部の教授40名が投票を行い、3人のうち1人が次期教授に内定する。そして後日、学長の決裁を経て教授への昇格が正式決定する。
11月には、3人の候補によるプレゼンテーションが行われ、選考委員会がつけた暫定順位は1位:X、2位:Y、3位:Zであった。
有力候補のXは、現在福大の准教授であり、このままいくとXが教授として内定し、学長決裁を経て教授になると思われている。
ところが、このXについて教授としての資質を問う意見が寄せられている。意見が寄せられたのは、当社ばかりではない。直接、福岡大学に対して外部から異議を唱える意見が寄せられたという。
研究業績
Xの資質に対する疑義の1つ目は研究業績だ。Xは3者のなかで暫定1位となったわけだが、教授となるうえで重要な選考基準の1つであると思われる業績について3者を比較して見てみよう。
以下は3者の論文のインパクトファクターを調べたものだ。インパクトファクター(IF)とは、論文が1年あたりに引用される回数の平均値を表したものである。各氏の筆頭著者論文数、それらIFの合計、平均IFは次の通りだ。
X:19本、合計IFは58.3、平均IFは3.07
Y:12本、合計IFは68.8、平均IFは5.73
Z:12本、合計IFは89.5、平均IFは7.4このように、Xは論文数こそ多いものの、1論文あたりの引用回数(平均IF)ではほかの候補を大きく下回っていることが分かる。
また別の方法で調べてみると、世界最大級の学術データベースにおいて3氏の論文引用数は次のように記載される。
たとえば、Sum of Times Cited(引用回数の合計)をPublications(Documents)で割ると、X:12.62
Y:37.59
Z:23.65となり、ここではYの引用率が高いことが分かるが、いずれにしても、Xが3者のなかで最も業績として見劣りすることは明らかだ。
このような結果だが、Xが有力候補ということは、福大の医学部では業績よりもほかに教授を決めるうえでの重要な選考基準があるということか。
たとえば、人柄であるとか、生徒に教える面での資質であるとか、医者として患者に接する面での資質であるとか。
元勤務先からの意見書
ところが、Xの資質に異議が示されているのは業績ばかりではない。実はXの、大学病院の医師ならびに教員としての資質に異議を申し立てる意見が、Xの出身大学であり卒業以来勤務してきた前職の大学病院の教授から、意見書として福大に提出されていた。意見書は匿名の怪文書などではなく、署名による正々堂々とした意見書である。
(つづく)
【特別取材班】
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