2024年11月25日( 月 )

北朝鮮軍事パレードに、中国共産党幹部が出席

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kita 北朝鮮は10日、首都・平壌の金日成広場で、朝鮮労働党創成70年の軍事パレードを行った。軍事パレードには、中国共産党序列5位の劉雲山政治局常務委員が参加。北朝鮮の金正恩第1書記の隣で、パレードを観覧した。北朝鮮の軍事パレードは、朝鮮戦争休戦60年を記念して開催されたもので、軍事パレードは2013年7月以来となる。中国の要人を招請したのは、中韓関係の親密化で相対的に冷え込みが生じている「中朝関係改善」の狙いがあると見られている。金正恩第1書記は演説で「我が国の軍隊と人民の力は、アメリカを不安と恐怖に追い込んでいる」と強調した。

 また、劉氏は9日、金正恩第1書記と平壌の百花園迎賓館で会談。習近平国家主席からの親書を渡し、朝鮮労働党の雀竜海中央政治局常務委員中央書記とも会談を行った。劉氏は「協力関係を高いステージに発展させる使命を持って訪朝した」と述べた。

 劉氏の訪問は、中国中央電視台の全国ニュースでも報道された。扱いは大きくなかったものの、「劉氏が公式に友好訪問しており、北朝鮮で息絶えた人民解放軍の兵士を弔った」と伝えた。一方、台湾メディア関係者は、「今回、北朝鮮は海外数十のメディアを招請し、軍事パレードを報じさせた。一番の目当ては、発信力を持つ中国メディアだろう。北朝鮮側の理想は、習主席自らが訪朝することだったが、叶わなかった。それでも、劉氏が金氏の隣で一緒に観覧する映像を世界に配信できたことは北朝鮮の思惑からすれば大きいだろう」と分析した。

 北朝鮮の動向は、予測がつかない「長距離弾道ミサイル発射実験」に焦点が集まっており、中朝間でも牽制が行われている。中朝間はさらに核開発問題をめぐっても揺れており、かつての友好国も軍事面では緊張が高まってきている。

【杉本 尚丈】

 

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