2024年11月22日( 金 )

「生まれも育ちも中央区」 地域活動が市議会議員としての原点(前)

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 全国から活力ある都市として福岡市に注目が集まっている。4期目に入った高島宗一郎市長を支えてきたのが、自民新福岡の代表で中央区選出の中島正裕福岡市議会議員である。中島氏は、プロゴルファーとして知られるが、家業を継承するために福岡へ戻り、地元警固校区の地域活動を通じて、2015年に市議会議員に当選した。天神ビッグバンで再開発が進む福岡市の未来設計や地方議員の役割などについて熱い思いを聞いた。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役会長 児玉 直)

成長する福岡市をいかに支えるか

福岡市議会議員 中島正裕 氏
福岡市議会議員 中島 正裕 氏

    ──中島市議は、福岡市議に当選されて3期になられますが、振り返っていかがでしょうか。

 中島正裕氏(以下、中島) 私もまさか市議会議員になるとは思っていませんでした。大学卒業後、「麻生飯塚ゴルフ倶楽部」に入社し、その後、若木ゴルフ倶楽部に所属しながら、約11年間トーナメント活動やゴルフ場運営に携わりました。福岡に戻り、PTA活動などを通じて地域のお世話をさせていただいたことから、その延長で市議にとのお声をいただきました。 

 2011年の最初の挑戦は、次点でした。警固小学校PTA会長や警固校区防犯・防災委員などの地域活動に取り組むなかで、地域の皆さまからご支援いただき、2015年に当選させていただくことができました。

 ──今、福岡市は、中心部の再開発でオフィスビルの建設が相次ぎ、市税収入もこれまでにない規模ですが、建てるばかりでなく企業誘致など呼び込みが求められていると思います。

 中島 現在、福岡市の人口は約164万5,000人です。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口においても、多くの都市がマイナスになるなか、福岡市は2040年まで増加すると予想されています。高島市長が市長に就任する間に出された市の将来人口推計では2010年時点で146万人だった人口が、2020年までの10年間で156万人に増えると予想されていました。現実にはその予想を大きく上回りました。

 ただ、皆さまが懸念されておられることも承知しております。福岡市は国家戦略特区の指定により、規制緩和を行い、ビルの建替えについて民間主導で進めています。また、明治通りから昭和通りにかけて整備される都市計画道路天神通線など都市計画道路の見直しも行っているところです。

期待されるTSMC好況の福岡への波及

 中島 問題は、天神ビジネスセンターへの入居にかかる初期費用が、企業進出のネックとなっていることです。建てる側の資材価格の高騰は、入居者への負担の増加につながります。

 福岡市は、県と連携して国際金融都市構想を掲げる産官学組織「TEAM FUKUOKA(チーム福岡)」を発足させ、国内外からの企業誘致に取り組んでいます。ただ、それだけでは間に合わないというご指摘はその通りだと思います。

 来春には、新しい福岡ビルが開業します。残る天神ビルについては、将来的には建て替えると九電は考えているようですが現時点では未定です。天神ビルは1960年に完成しましたが、渡辺通り、明治通り、昭和通りが交差する中心街区に位置しており、福岡市のシンボル的な存在でもありました。

 建設されたのは、ちょうど私が生まれる1年前で、今年で64年になりました。耐震性などにも対応することが求められていると思います。

 いずれにしても、福岡市は、規制緩和と都市整備を進めながら、海外企業誘致に努めており、海外のなかで、アジア諸国は福岡に注目していると思います。お隣の熊本は、半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)の進出による「半導体バブル」に沸いていますが、間違いなくその影響はよい意味で福岡に波及すると思います。

高島市政は結果を出している

福岡市議会議員 中島正裕 氏    ──九州新幹線を通じて熊本・福岡の往来も活発になり、子どもの教育含めて需要は大きいと思います。残るのは新天町の再開発ですが、大きく変わると思います。

 中島 私の祖父はもともと新天町でとんかつ屋を経営していました。私が幼稚園の頃まで新天町に店があり、その関係で今泉に住んでいました。1967年に店をやめて父がマイクロフィルム撮影の仕事を始めたので祖父も手伝っていました。アナログからデジタルへと移り変わり、その仕事はやっていませんが、もし今もその仕事を続けていたら、市議にはなれなかったかもしれません。

 高島市政も4期目となり、最初はさまざまな批判もありましたが、結果を出しているように思います。福岡市のことを考えると、できるだけ長く市長でいていただきたいです。しかし、今の国政の状況をみると、高島氏が中央に行って日本を根本から改革していく必要があるようにも思います。

 ──国会議員となれば最初は雑巾がけを行う必要がありますね。

 中島 今でも定期的に高島市長は、国会や中央省庁へ要望に行っていますし、指定都市市長会の副会長などの立場から提言活動もされています。

 私は福岡市議会議員であり、地域の方とのつながりや諸団体との関わりは、中央区がメインですが、陳情・要望いただいたことを整理しながら、予算などで提案して実現させるのが役割だと思います。

 今の福岡市行政は、高島市長以下、よい流れで進んでいると思います。税収の増加にともない市債残高が2004年度のピーク時から半分以下となり、財政の健全化が進んでいます。天神ビッグバンによって、固定資産税の収入が増えていることは大きいと思います。

(つづく)

【近藤 将勝】


<プロフィール>
中島 正裕
(なかしま まさひろ)福岡市議会議員 自民党新福岡代表
1961年生まれ。九州産業大学芸術学部卒業。86年より約11年間、プロゴルファーとしてトーナメント活動やゴルフ場運営に関わった後、帰福。2015年福岡市議会議員選挙(自民党推薦)で初当選。母校である警固小・中学校のPTA会長や、警固校区の防犯・防災委員長を務め、現在も防犯指導員や警固校区青パト隊リーダーとして地域活動に取り組む。

(後)

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