2024年11月25日( 月 )

台湾総統選で、与党候補者を急遽チェンジ

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taiwan 来年1月16日に行われる台湾総統選挙で、与党・国民党は17日、台北市内で臨時党大会を開き、支持率低迷を理由に、立法院副院長の女性候補・洪秀柱氏の公認を取り消し、朱立倫主席への交代を決定した。

 臨時党大会では、洪氏の公認取り消し案を挙手による賛成多数で可決。その後、朱主席を選び、決定した。候補の選出を巡っては、朱氏を含め、王金平氏ら党内の有力者が相次いで不出馬を表明するなか、洪氏が名乗りを上げ、7月の党大会で候補に選出された。一時は「国民党・洪秀柱氏vs民進党・蔡英文氏」の女性候補同士の一騎打ちと見られていた。しかし、洪氏が、「中国と台湾は統一するように憲法が定めている」などと「統一推進」的な発言を繰り返すなどしたため支持率が低迷。党内では、総統選の敗戦は覚悟の範囲にあるものの、同じ日に実施される立法委員(国会議員)選挙で、大きく惨敗する影響までが危惧される事態となった。

 公認取り消しとなった洪氏は、「党員としては受け入れるしか選択肢はない」と述べ、途中退席。朱立倫氏は「混乱を招いて申し訳なかった。我々の未来は国民党と共にある。立法院で多数を維持し、両岸(中国大陸と台湾)は現状を維持し、平和的発展を守っていく必要がある」とあいさつした。台湾のテレビ各局は、国民党のドタバタ劇を特集した。

 台湾国民からは「本来ならば党主席である朱氏が初めから出馬を表明するべきだった」「洪氏がかわいそう」といった声が挙がった。台湾メディア関係者は「朱主席に対しては『意気地なし』という先入観が国民の間に染み付いてしまっている。依然として、行動的な民進党・蔡主席の支持率の方が高く、巻き返しは厳しいのではないか」と見ている。

【杉本 尚丈】

 

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