市場縮小の罠を超える(6)平凡で良いのか!
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「ゆか」と「りえ」(どちらも仮名)を誘って中華料理店の「頤和園」へ!「ゆか」は入社3年目で今年25歳になる。「りえ」は今年大学3年生の21歳。年末から就職活動が始まるが、東京などに行くつもりはなさそうである。自宅の広さは50坪、2人とも個室をいただいている。これならば居心地が良さそうである。2人とも自宅をでていく意欲はあるまい。「りえ」は当初、料理人の道に進むようなことを言っていたが、もう忘れたらしい。さぁ、2人はどうなるのか、「平凡」に終わるのか。
心優しい娘たちである。老齢になった祖母のこともいろいろとサポートしてくれる。祖父の葬儀の時も涙を流して偲んでくれた。人間味豊かである。それで十分ではないか!至らないことに欲望をもたず、平凡に人生を貫ければ良い。「ゆか」は“平凡人生”の道が確定。妹も「平凡な罠」にからめ捕られていく雲行きである。両親が“平凡人生”を全うしているから、そうした成り行きになるのも自然かも。
以前に書いたように、2人の父方の祖母は看護師としての一生を貫いた。祖父は父が小学4年生のときに亡くなったため、祖母は看護師として、身内のサポートを受けながら3人の子どもを育てあげた。この手堅い祖母の生き様が影響し、身内、甥姪が看護師など医療に従事する道を選択するようになった。一族の大半は佐賀、福岡にいる。地元に根差して生活を送る地道な生き方は悪くない。
この生活スタイルが地元の風土の継承を可能にするのである。そのためには家族を設けて子孫を産み落とすことが条件である。
ところがだ!「ゆか」に尋ねたところ、当面、結婚する気持ちはないという。本当に難しい時代となった。娘たちも中華料理が大好きで食欲旺盛であった。だが己の子孫をこの世に送り出さないことには人類の存続は不可能になる。福岡都市圏においても人口減の傾向が顕著になるだろう。
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