中国政府、不動産市場の保証策を発表(後)
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分譲住宅が中国全体でだぶついているなか、政府がデベロッパーから住宅用の遊休地を買い戻したり買収したりすれば、不動産企業に流動性がもたらされるうえに住宅の供給数が落ちるとの見込みが広まる。また地元では、手に入れた遊休地を再開発する計画を立てることで経済が活性化する。
このような不動産救済策は評価できるが、一番の問題はその購入に要する資金源である。
中国不動産情報会社CRICのレポートによると、中国100の都市における新築物件の売れ残り面積は2024年3月現在で4億9,916万m2であり、中古住宅の平均価格が1万4,622元/ m2とすれば、このうちの1,600万m2を購入するだけで2.7兆元を要し、1億6,000万m2を買うなら27兆元(約582兆円)が必要である。どの地方政府も財政が火の車であって、これだけの資金を用意するのは不可能に近い。
国務院の何立峰副総理は、物件の引き渡し問題に関するビデオ会議で、「地方政府、不動産企業、金融機関それぞれに責任を与え、協調体制を強化し、都市の不動産融資協調性、再貸付政策などを十分に活用させ、都市や不動産企業への指導や支援を強化し、物件引き渡し確保への取り組みを力強く秩序よく有効的に進めること」と明言した。
地方政府の間で、「購入済みの物件の速やかな引き渡しに向けてすでに大量の予算をつき込んでいる」との声も聞かれる。そこへ改めてマンション購入へ金を出せなどというのはもはや無理な相談であり、どの程度購入できるのかは未知数である。よって、地方政府の対応としては個人に対して購入を勧めることとなる。
安徽省の中心都市である合肥市は、市内で家を買えば家族全員に現地の戸籍を付与し、医療保険や社会保険の加入、子どもの通学などが可能となるなど、「救済」に向けて10件の政策を発表している。
中国政府は先ごろ、刺激策として住宅購入時における中古物件の「下取り」策を打ち出したが、広東省の都市計画院住宅政策研究センターの首席研究員である李宇嘉氏はこれについて、成功する否かは中古物件の売れ行き次第だという。とくに三、四線都市の多くは現在、新築物件がかなりだぶついており、中古についてはほぼ売れる見込みがないので、うまくはいかないと見ている。
中国経済は不動産頼み、という状態も終焉に達したが、不動産の影から抜け出すには痛みをともなう。今の政策的条件では、不動産が安定化するのはいつごろになるか、判断が難しい。
(了)
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