日本の最先端製造技術で日本は救える～地上から宇宙まで支える技術力（2・前）

株式会社スターバレー
代表取締役　星谷隆 氏

はじめに～医療機器、ロボット、航空宇宙～

    第1回では、日本の製造技術力の概要、自動車産業、家電産業、半導体産業、日本の製造技術力の将来展望について解説しました。

　第2回では、日本の製造技術が支える最先端技術～医療機器、ロボット、航空宇宙～について解説します。これらの分野における日本の技術力は、人々の生活や社会の発展に大きく貢献しています。

1.医療機器：命を守る匠の技

　日本の医療機器産業は、世界トップレベルの技術力と品質を誇っています。とくに、画像診断機器や手術支援ロボットなどの分野においては、高いシェアを獲得しており、世界中の医療機関で利用されています。

最新の技術動向

　AI技術を活用した医療機器：画像診断支援システムや診断支援システムなどが開発されています。これらの機器は、医師の診断精度向上や医療の効率化に貢献することが期待されています。某社は、AI技術を活用した画像診断支援システムを開発しており、医師の診断精度向上に貢献しています。また、AIとデータ分析がどのように医療機器業界を変革しているかも重要な要素となります。

　ロボット手術システム：高精度な手術を可能にするロボット手術システムが開発されています。ロボット手術システムは、患者の負担軽減や手術の成功率向上に貢献することが期待されています。某社は、ロボット手術システム「ダヴィンチ」を世界で初めて販売し、ロボット手術の先駆けとなりました。最新技術としては高度なマニピュレータアーム、3Dビジュアリゼーションと拡張現実（AR）、遠隔操作機能などがあります。

　再生医療技術：iPS細胞や臓器移植などの再生医療技術が開発されています。再生医療技術は、難病の治療や寿命延長に貢献することが期待されています。京都大学iPS細胞研究センターは、iPS細胞の研究開発において世界をリードしており、多くの成果を上げています。

2.ロボット：未来を変える匠の技

　日本のロボット産業は、世界トップレベルの技術力と生産量を誇っています。とくに、産業用ロボットや介護ロボットなどの分野においては、高いシェアを獲得しており、世界中の企業や施設で利用されています。近年では、AIやIoTなどの先端技術を活用したロボットの開発も進んでいます。たとえば、某自動車メーカーは、AI技術を活用した人型ロボットを開発しており、さまざまな動作を自律的に行うことができます。これはAIとセンサー技術の進化による産業ロボットと介護ロボットの革新へと進んでいます。

最新の技術動向

　AI技術を活用したロボット：人型ロボットや介護ロボットなどが開発されています。これらのロボットは、人間とのコミュニケーション能力や作業能力の向上に貢献することが期待されています。某社は、AI技術を活用した人型ロボット「ASIMO」を開発しており、さまざまな動作を自律的に行うことができます。

　協働ロボット：人と協働して作業を行うロボットが開発されています。協働ロボットは、製造業や物流業などの分野で、人々の負担軽減や生産性向上に貢献することが期待されています。某社は、協働ロボット「duAro」を開発しており、人との安全な協働作業を実現しています。

　サービスロボット：接客や清掃など、サービス業で利用されるロボットが開発されています。サービスロボットは、人手不足解消や顧客満足度向上に貢献することが期待されています。某社は、接客ロボット「Pepper」を開発しており、多くの店舗で導入されています。

3.航空宇宙：宇宙への挑戦

　日本の航空宇宙産業は、世界トップレベルの技術力と実績を誇っています。とくに、ロケットや人工衛星などの分野においては、高いシェアを獲得しており、多くの宇宙開発プロジェクトに参加しています。

　近年では、民間企業による宇宙ビジネスの参入も活発化しています。たとえば、某社は、月面探査ロボットの開発を進めており、2025年の月面着陸を目指しています。

最新の技術動向

　小型衛星：低コストで開発・運用できる小型衛星が開発されています。小型衛星は、地球観測や通信など、さまざまな用途で利用されています。某社は、小型衛星「ひまわり」シリーズを開発しており、地球観測に大きく貢献しています。

　再使用型ロケット：打ち上げ後、地上に戻って再利用できるロケットが開発されています。再使用型ロケットは、ロケット打ち上げコストの低減に貢献することが期待されています。JAXAは、再使用型ロケット「H3ロケット」の開発を進めています。

　宇宙旅行：民間企業による宇宙旅行事業が活発化しています。宇宙旅行は、新たな産業として成長することが期待されています。某社は、民間初の宇宙旅行を実現し、宇宙旅行の時代を切り拓きました。

（つづく）

＜プロフィール＞
星谷隆（ほしや・たかし）
（株）スターバレー代表取締役。製造業の技術営業に17年携わった後、2013年に独立。産業機器の部品、医療機器の試作品の部品、⾃動⾞の部品、宇宙航空品の試作部品の製造などを行う。