2024年11月21日( 木 )

【福岡IR特別連載127】失われた30年、狂気の円弱「1ドル=150~160円」

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米ラスベガス市の一般的な平均給与は年約1,312万円(8万1,991ドル)

 この数字は米国調査機関がこのほど更新した一番新しい“驚き”の資料である。参照のために述べると、福岡県の平均給与は年間434万円(全国の平均給与は422万円、厚生労働省「賃金構造基本統計調査」に基づく)だ。なんと、米国は福岡県の約3倍である!仮に、1ドル=100円という以前のような円高になったとしても、年819万9,000円であり、1,5倍強の所得格差がある。依然として驚くような格差だ。

 皆さんは、この超格差所得の我が国の実態経済をご理解いただけるだろうか。これらは、単に為替対策により生じた問題ではなく、この国の過去30年間の政府の経済対策の誤りが根源となった問題である。同時に、各企業のサラリーマン経営者、主幹者たちが自身のリスクなどを恐れて何もしなかった結果が招いた事態である。こんなに自国通貨の弱い国に誰がしたのか!

 ちなみに、カジノとは関係のないニューヨーク市の年間平均給与は1,611万9,360 円(10万746ドル)だ。この調査の対象業種は多岐にわたり、また富裕層のサラリーマンからパートタイマー、アルバイトまで広い範囲の給与所得者を含んでいる。

 先日、日本のテレビのバラエティ番組で、米国の平均的なマクドナルドのセットメニューが約2,400円(15ドル、なおフランチャイズ店舗によりメニューの価格は異なる)であるが、平均的消費者である非正規従業員の時給は30~60ドルであり、時給の半額でビッグマックセットが買えるので、彼らにとっても高いという感覚はないということを報道していた。これは実に真っ当な話だ。我が国の経済が如何に特異な体質となっているかは、この事実からも一目瞭然であろう!

 つまるところ、NHKを筆頭とした各マスコミが報道する“日本銀行と財務省の役人”が表向きに露出している「為替対策」などは「焼け石に水」である。大病で緊急手術が必要な患者に対して“市販の薬”を投与して一時的に凌いでいるようなものである。この主たる原因は、世界から見た我が国の信頼性が大きく揺らいでいることにあると報道すべき問題ではないか!

 これらはとんでもないことだ。この国の政府、地方の政治家から役人に至るまで、一時凌ぎの交付金のような対策では何の役にも立たない。同時に、大手企業のサラリーマン社長たちも、この30年間、人件費も含めて投資をするというリスクは取らず、自己保身に終始してきた結果、その“内部留保”の総額は何と520兆円を超えているのである。このように、世界に類を見ない「狂気の国家」が我が国日本だ!

「福岡IR」は、我が国給与所得平均に革命を起こす。

 福岡IRについて、2022年春から現在に至るまで、彼らの公式サイト(福岡IR 誘致準備組織)およびYouTubeでの動画配信は継続中であり、毎日の検索数も非常に多い(この2年間の訪問アクセス数は約3万7,000アクセス)。近く、その中身を大きく充実させる予定であり、今後より具体的なかたちで進展し、大きな変貌を遂げる兆しがある。

 ソフトバンクの孫正義氏が「AIの能力は4年前の1,000倍」と話す世の中であり、デジタル社会は日進月歩の凄まじいグローバルな世界だ!

 また、福岡IRは近い将来、“3次元の仮想空間”が拡大し続け、現実空間との「垣根」などがまったくなくなるのに等しい状態が生まれるだろう。Apple Vision Proが発売されるなど、デジタル空間と現実が融合され、あらゆるものの疑似体験が可能な世界になっている。

 ゲーミングの世界も同様である。福岡IRも現地に両者を融合するためのプラットフォームを設置し、福岡に“大きな付加価値”を産むことになるだろう。仮想通貨の流通にキャッシュレス化の進展、著名な国際投資銀行の進出などが「福岡IR」誘致により生まれる。これらは国際金融都市を目指す我らが福岡には絶対の必須条件といえる。

 ちなみに、アメリカ元大統領のトランプ氏は「米国経済をビットコインなど仮想通貨の世界の中心地にする」と豪語している。

 福岡IRの提案(YouTubeでも確認できる)には、新たな雇用の促進(直接・間接合わせ5万人)という特筆すべき事項がある。福岡IRに従事する人たちには、米国水準並みの年間給与(非正規職員を含む) を保証することに積極的だ。これは、我が国の給与水準改革への“唯一の特効薬”と言ってよく、すばらしい計画だ!

 よって、福岡IR誘致開発の実現は、世界に相当な遅れを取る国民の給与水準改革と、世界的な国際金融市場誘致(IRから巨額な金の流れが派生する)の具体的な第一歩であるとともに、一番の早道である。

 現在、この国の政府の高官や政治家たちが口先で何を言っても、実行できるはずがなく、一般的な人々の給与水準は物価上昇には追いつかず、「米国並みの水準」には途方もなく遠い。今年の“大山鳴動”した春闘でもそれは明確になっている。

 よって、この福岡IRの管轄権を有する福岡市行政・市議会ならびに九州経済界が誘致を決定し、立候補するだけでも(九州経済連合会はすでに九州へのIR誘致を公言している)、この影響は大きなインパクトをおよぼすだろう。歴史的に見てもこれは大変な起爆剤になるはずだ!

 それゆえ、ギャンブル依存症などを理由に反対する“何でも反対派”に気を遣うことなく、自身の選挙への影響のような小さな問題を恐れてはならず、経済、雇用促進への大きな効果を率直に認識し、各自が自身の強い意志と信念をもって、福岡IRの誘致開発を積極的に推進すべきである。

 筆者は、当初からIR誘致に関して、東京都市圏、大阪都市圏、我らが福岡都市圏の3カ所、すなわち巨大都市圏においてのみ実現可能だと解説してきた。

 ちなみに、最近「現在の異常なドル高と円安は容認できない」と公言している真っ当な人物がいる。これも、次期アメリカ大統領に返り咲く可能性が高いトランプ氏の発言だ。これに影響を受けたのか、忖度したのかは定かではないが、「風前の灯」の岸田首相は先日、過去30年間のデフレ脱却を速やかに解消するためとして、植田日本銀行総裁と協調して対処するとしたが、今頃何を言っているのか、というのが率直な感想だ。

 よって、“狂気の円弱”是正についても、今後の「東京IR」も含めて、またアメリカからの強い圧力で実行される日は近いものと考える。ギャンブル依存性への反対一本鎗の時代遅れの反対派に恐れをなしている我が国の組織人は胆力に欠けており、近頃の“大勢派”の日本人は誠に情けない。米国人からいわせれば“Don't worry! Just do it now!” というシンプルな話しだ。

【青木義彦】

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