福岡・九州の人材ビジネスの先駆け 人材に寄り添う育成手法で社会に貢献

エントリーサービスプロモーション（株）

女性活躍を推進

　エントリーサービスプロモーション（株）は、さまざまな業種へ主に人材を派遣することで、社会に貢献してきた企業だ。6つの事業部で構成されるが、そのうちたとえばMC事業部は、地元人気番組のリポーターやタレント、コメンテーターなどを多数輩出し、披露宴・イベントの司会者なども派遣している。また、ドーム事業部では「みずほPayPayドーム福岡」内にあるスーパーボックスの運営を手がけ、こうした事業を通じて多くの人々の暮らしや社会に彩りを与えている。

　さて、「女性は家庭を守るもの」という古い社会通念が一般的だった時代に、女性が活躍する場を広めようとしたのが、エントリーサービスプロモーションの原点だ。同社のサービスのルーツは、1975年3月10日に岡山駅と博多駅が結ばれ全面開通した山陽新幹線のオープニングイベントにまで遡る。当日は博多駅において盛大な催しが行われたのだが、そのイベントの運営に関わっていたのが同社代表の新井洋子氏。「自分自身の力で社会とのつながりをつくっていきたい」と考え、その年6月にエントリーサービスプロモーションを設立した。

　当時は高度経済成長期の最中。東京などの大手ホテルではパーティーコンパニオンのニーズが高まっていた時期であり、新井氏はその状況をビジネスチャンスと捉え、福岡・九州で初となるパーティーコンパニオン請負業務の展開を始めた。パーティーにおけるコンパニオンの洗練されたサービスぶりは、ホテルはもとより地元の政財界関係者から高い評価を受け、今でもグループの根幹をなす事業となっている。

　コンパニオンが提供するサービスの質の高さは、新たな事業の開拓につながった。89年3月から9月まで開催された「アジア太平洋博覧会（よかトピア）」では、企業からの要請を受け協会コンパニオンを始め19社のパビリオンに人材を派遣。同社で研修などを受けたコンパニオンが大いに活躍したことで、信頼を得その後受付や一般事務・コールセンターなどの人材派遣の分野にも事業を拡大し、より一層、女性活躍を促進した。

外国人材の育成・ケアも

　そして現在は、さまざまな業種・業界へと老若男女を問わず活躍の場を提供する、福岡を代表する総合人材派遣関連業へと成長している。たとえば、人材不足が深刻化するなかで、人材の定着やハラスメントの防止などといった社員教育の分野も含め、多くの企業から頼りにされる存在となっている。

　なかでも、外国人人材の確保において、エントリーサービスプロモーションは存在感を増している。同社では、外国人を正社員採用しスタッフの雇用後の混乱やミスマッチを防ぐためのフォローを密に行っているからだ。担当者が、頻繁に雇用企業を訪問し、外国人従業員と面談するなど心のケアにも努めることで、彼らはもちろん雇用企業の満足度も高めているという。

　このことについて新井氏は、「円安などの状況を受け、外国人雇用も難しい状況になりつつあります。ですから、彼らを丁寧に育て、“日本にきて良かった”と思ってもらえる労働状況を提供することは、外国人に日本での仕事を選んでもらうこと、ひいては日本の国力向上につながるのではないかと考えています」と話している。

    なお、新井氏は2019年に「日本国際人材開発協同組合」を設立し、代表理事に就任した。同協同組合では、東南アジアを中心とする優秀な人材と国内企業の採用ニーズをマッチングし、企業活動の活性化のほか、海外進出の足がかりをつくるための活動も行っている。

　エントリーサービスプロモーションは来年、50周年の節目を迎える。今後について障がい者支援、高齢者の就労支援、そして起業を目指す若者たちへの支援など社会貢献活動にも取り組みたいという。そして、「さらに大きな仕事、もう1つの柱になる事業を始めようと考えています」とも話す。それが何なのか、今後に期待が膨らむところであるが、「何よりも人が好き」という新井氏。人々の活躍の場をより一層広げるものであることは間違いない。

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：新井洋子
所在地：福岡市中央区天神3-6-26
設　立：1975年6月
資本金：1億円
ＴＥＬ：092-712-4505
ＵＲＬ：https://www.entryservice.co.jp