人材不足に悩む中小企業と日本で働きたい外国人の強い味方

データ・マックス30周年記念特集「組織永続化への挑戦～企業30年説を打ち破れ～」

2024年9月16日 06:00

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地球人.jp（株）

　人材不足問題にいち早く危機感を抱き、企業と外国人労働者をつなぐ橋渡し役として活躍する地球人.jp（株）。今年で創業25周年を迎える同社は、外国人技能実習制度と特定技能制度の見直しや新たな外国人受け入れ制度である「育成就労制度」の導入という変化に対応するため、知識を蓄え、さらなる飛躍を目指している。

深刻化する人材不足活路は外国人労働者の雇用

　日本の人手不足は年々深刻化している。とくに深刻なのは「生産年齢人口」に該当する15歳から64歳の人口が減少していることだ。内閣府によると、生産年齢人口はピーク時の1995年の8,726万人から2020年に7,310万人、2070年に4,535万人となる見通しとなっている。このまま人材不足が続けば「売上機会の逸失」「残業時間の増大」「納期遅れ」などのトラブルに発展する可能性が高まり、事業縮小や倒産につながることもあるだろう。

　こうした人手不足の解決策として、「労働条件の改善」や「女性やシニア層の活用」「ITテクノロジーの活用」「外国人労働者の雇用」が挙げられる。なかでも「日本で取得した技術を母国で生かしたい」「働きながら語学や異文化を学びたい」といった外国人にとってのさまざまなメリットも多くあることから、外国人労働者の雇用数は毎年、右肩上がりで増加し続けている。その反面、企業側の法令違反などのトラブルや外国人労働者側の考え方や価値観の相違によるトラブルも目立つようになってきた。

独自に開発した安心のシステムやアプリ

　そんななかで、企業と外国人労働者の橋渡し役として長年活躍しているのが、ワンストップ型外国籍人材コンサルタントなどを手がける地球人.jp（株）だ。

　同社では独自契約の専門提携校や関係協力機関と連携したリクルーテイングシステムを構築し、外国籍採用の一本化を実現させている。主に在日外国籍の人材と、外国人労働者を募集している企業の間に立ち、企業側の「人材が集まらない」「事業拡大に際し新たな人材を確保したい」「海外で事業展開をするための人材を探したい」というニーズと、外国人労働者側の「専門性のある仕事の技術を学びたい」「悪条件ではない企業で働きたい」「手に職をつけたい」というニーズを把握し、的確なマッチングを行っている。

　クラウド型顔認証システム「CHIKYUJIN認証システム」では、外国人労働者が登録・更新した際、本部の専門スタッフが各々の在留資格と期限（留学生の場合は教育機関と学生証期限も加える）をデータ化し管理。加えて、登録者には在留カードおよび学生証を必ず携帯させるほか、目視による確認を怠らないことで、在留資格や学生証の期限切れなどのリスクを未然に防ぐ仕組みを構築している。そのため、企業側は安心してサービスを利用することができる。

　一方、外国人労働者側は、アプリケーションソフト「JOB@CHIKYUJIN」を使用してリアルタイムで更新される求人情報を選ぶことができる。給与明細の確認・受取もできるため、簡単に利用でき好評を得ている。同アプリは現在、約16万人が登録していることからも、多くの人材が集まっていることが見て取れる。

雇用の多様化に対応するプロフェッショナル集団

　2040年には約674万人（労働者の10人に1人）が外国人という予想もされるなか、外国人雇用は企業にとって取り組むべきか否かという課題ではなく、「いかに取り組むか」という考え方が必要な状況になってくる。今後は外国人をはじめ、多様な人材が働きやすい組織を構築する重要性が増していくだろう。

　また、外国人労働者雇用は日本人の雇用と異なる点があり、知らず知らずに法令違反を犯してしまう例も近年散見されている。日本の雇用慣行としてのオペレーションを外国人労働者に行った結果、企業側が不法就労助長罪に問われるといったトラブルも多い。主に出入国管理関係法令と労働関係法令との間のギャップにより発生してしまうようだ。

さらに、2022年12月から技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議が開催され、2023年11月には「最終報告書」が公表された。そこで示された新たな制度「育成就労」への移行に関する内容を同社では積極的に蓄積している。