介護される側も、介護する側も 誰もが幸せになれる介護現場の実現を目指す

（株）ウィズグループ

雇用環境改善を柱とする事業改革から学んだこと

    介護は人が人に対して行う直接のサービス。その成功は、提供する側も受ける側も、幸せを感じることができるかどうかにかかっている。

　2000年7月に介護事業に参入した同社は、20年に始まったコロナ禍をきっかけに大きな危機に直面した。それを乗り越える過程で取り組んだことは雇用環境の改善だった。前川裕貴代表取締役社長はこう語る。

　「危機に直面して、事業を継続するために本当に必要なことは何かという視点から1つひとつ課題を解決していったところ、結果として行ったことは、従業員の待遇を含めたトータルな雇用環境の改善でした」。

　従業員満足度の向上がサービスの質向上と業務の効率化を実現させた。その結果、広告費をかけずとも利用者が増え、トータルコストの削減が実現した。

　人事制度の適正化が介護事業の基盤であるとの認識に基づいて、同社はさらなる改善に取り組み続けている。たとえば社内のハラスメントに関する匿名の相談窓口を内部だけでなく外部にも設置した。今後は管理者に対する専門家による研修も実施していく。

利用者からも介護者からも選ばれる介護事業者へ

　福岡市内で老人ホーム、デイサービス、訪問介護、居宅介護支援など17事業所を展開する同社は、従業員の能力や適性を最大限に発揮でき、かつワークライフバランスも実現できるように従業員の配置にも十分に配慮する体制を整えている。

　「介護事業は、利用者の人生の幸福度を高めるサービスである必要があります。そのためには、介護を行う従業員の幸せも実現しなくてはなりません」（前川代表）。

    従業員満足度を重視した取り組みを続けていると、家族や親戚の施設利用を希望する従業員が増えた。また、従業員の友人や家族の就業希望者と利用希望者も増え、さらには施設利用者の家族が、別の家族にも利用を勧めるケースも増えている。

　同社は利用者と従業員の幸せを中心に据えた事業展開を今後も進めていく。

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：前川裕貴
所在地：福岡市中央区大名2-4-30
設　立：2001年4月
資本金：5,000万円
ＴＥＬ：092-712-0306
ＵＲＬ：https://www.with-g.com