メモリ市場のゲームチェンジャー HBM/広帯域幅メモリ(後)
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日韓ビジネスコンサルタント
劉明鎬 氏2位のSKハイニックスがHBMの主導権を握る
HBMは、メモリ市場のなかでシェアが増大することが予想されている。市場調査会社トレンドフォースによると、DRAM市場の収益のなかで、HBMの比重は昨年8%から来年は30%に増えるとしている。HBM市場で主導権を握るようになったSKハイニックスは、今年の営業利益額が史上初めてサムスン電子を上回るかもしれないという予測すらある。SKハイニックスは今年上半期8兆3,545億ウォンの営業利益を計上し、売上高では2倍以上のサムスン電子の営業利益額に近接するようになった。
それだけではない。SKハイニックスは生産効率においても、サムスン電子を圧倒している。もともと両社は生産方式が違う。サムスン電子はTC-NCF方式という、チップとチップの間に非伝導性接着フィルムを入れる方法を用い、SKハイニックスはMR-MUFという、液体の保護剤をチップの間に入れる方式を取っている。ところが、生産効率はサムスン電子が1個のチップを生産する間に、SKハイニックスは8.8個生産できるほど、生産効率にもかなり差が出ている。MR-MUF方式が液体を入れて固める方法である反面、TC - NCF方式は溶接に似ているという。SKハイニックスが圧倒的な技術力で先頭を走っている反面、サムスン電子は低い歩留まりと発熱問題で悩まされているようだ。
その結果、HBMの市場シェアにもそれが如実に現れている。トレンドフォースの統計によると、HBMの市場シェアは、SKハイニックス53%、サムスン電子38%、マイクロン9%となっている。このままSKハイニックスの快走が続くのか、それともサムスン電子が反撃に出るのか、業界では注目が集まっている。
サムスン電子はまずメモリ市場でSKハイニックスのシェアを奪い、1位に返り咲くことを夢見ている。そのためには、歩留まりの改善と発熱問題の解決が先決である。ファウンドリ事業ではTSMCとの差がますます開くなか、お家芸のメモリ事業でも、もしかするとSKハイニックスに押され、2位に転落する危機的な状況に置かれている。韓国を代表するサムスン電子だけに、サムスン電子の行方に世界が固唾を飲んでその推移を見守っている。米国も中国も日本も、半導体覇権を取ろうとして莫大な投資をし、激しい競争が繰り返されているなか、サムスン電子は今後どのようになっていくのか熱い視線が注がれている。
(了)
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