2024年12月23日( 月 )

【兵庫県知事選(9)】改革パフォーマンス×SNS×「いい感じ」×溶けた有権者

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 今回は17日投開票の兵庫県知事選で前知事の斎藤元彦氏が再選をはたしたことについての読者の意見を紹介する。

 今回の兵庫県知事選挙の結果をもたらしたのは、
(1)オールドメディアの信用失墜
(2)情報を取捨選択できない有権者の責任軽視
(3)維新が育んだ関西の地域性
 だとみている。

 (1)はいうまでもなく、新聞やテレビなどの大手マスコミへの不信である。これは今回の米大統領選のトランプ再選にも通ずる。しかし、日本ではこれまでもマスコミに不信を抱くものはいたが、このような結果を生むことはなかった。

 では、何が変わったか。(2)で書いた有権者の投票行動である。まず特徴として、情報の取捨選択、つまり比較検討をしない、できない。これまでこういった人たちは選挙に大きな影響をおよぼすことはなかったが、Xで、Facebookで、あるいはTikTokで斎藤氏を「いい感じ」だと思って投票した。こういった軽挙は本来恥ずべきことだ。しかし、これが第二の特徴として、「自分くらいがやったところで」と考えている。昨今は個人の力を軽んじる風潮があり、この精神を生んだ。

 最後に挙げたのは関西という地域性、維新が育んだ「既得権益」憎しの風土である。維新政治は、往々にして政治権力が差配できる権益を自分たちの意図したところに流すという新自由主義で、彼らの掲げる「改革」などパフォーマンスだが、今回は「自家中毒」のような作用を起こした。

 今後は、(2)であげた「溶けた有権者」の存在が選挙の行方を左右することになるが、同時に、憂慮でもある。彼ら/彼女らは大量の情報で簡単に操作されるわけで、たとえばカルトのような1つの政治目標にベクトルを向けた集団によって操作されうるということであり、日本に露呈した「弱点」にほかならないからだ。

【50代研究者】

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