2024年11月25日( 月 )

大阪ダブル選を他山の石として参院選戦術構築

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 NETIBでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。

本日は、維新の候補が完勝した大阪ダブル選の結果を受けて、今後の国政選挙をどう戦うか、

植草氏の考えをまとめた11月23日のブログを紹介する。

 

 ダウンロード (10)大阪のダブル選で大阪維新の会候補が勝利した。日本の既得権勢力の既得権を維持するための勢いは止まらない。橋下維新を膨張させてきた原動力はメディア広報である。メディアの候補がなければ、大阪維新を知る者は誰もいなかったはずである。人為的に創作された政治勢力が橋下維新である。メディアは人為的なこの創作物を組成するに際して、「第三極」という言葉を用いた。その目的は、既得権勢力に対抗する政治勢力の一本化を阻止することにある。

 1993年に55年体制が崩壊した。自民中心の政治権力、そして、万年野党の社会党を軸とする野党勢力による国会勢力図式が1955年に成立し、1993年まで38年間持続した。しかし、1993年にこの図式が破壊された。破壊した中心人物が小沢一郎氏であった。

 爾来、小沢一郎氏は既得権勢力から、最重要警戒人物としてマークされ続けた。小沢氏を攻撃するためのマスメディア連絡会である「三宝会」が組織されたのは1996年のことだ。この「三宝会」メンバーが、いまなお、小沢氏攻撃の先頭に立ち続けている。しかし、小沢一郎氏は、この小沢氏攻撃謀略をはねのけて、2009年の政権交代を成就させた。既得権勢力は、目的のためには手段を選ばぬ、暴虐の限りを尽くしたが、小沢-鳩山主導での政権交代成就を阻止することに失敗したのである。しかしながら、既得権勢力はこの「改革勢力」に対する攻撃の手を緩めなかった。ありとあらゆる謀略、暴虐の限りを尽くして、小鳩政権を破壊し、2012年に旧制復古政権である第二次安倍晋三政権を樹立した。

 それから、3年の時間が経過するのである。このなかで、既得権勢力は、反体制の勢力が一本化することを阻止するために、「偽装CHANGE」勢力を人為的に創出した。「CHANGE=改革」を偽装する勢力である。この勢力は、裏側で、既得権勢力とつながっている。主権者を欺く、「改革」の装いを纏う、既得権益の側に立つ勢力である。この「偽装CHANGE」勢力として、最初に立ち上げられたのが「みんな」であった。

 しかし、「みんな」の勢いは弱く、既得権籍勢力は、「みんな」から「橋下維新」に「偽装CHANGE」の中心を移し替えた。この過程で、「石原新党」もこの勢力に組み込んだのである。原発を推進し、集団的自衛権行使を容認し、TPP参加を推進する勢力。辺野古基地建設を推進し、格差拡大を推進する勢力。これが既得権勢力である。

 既得権勢力とは、米国を頂点にした、官僚機構、大資本、利権政治屋、マスメディアによって構成される利権複合体のことだ。悪のピラミッドである。2012年から2015年までの3年間に、悪のピラミッドは、日本を旧政に引きずり戻した。悪のピラミッドに立ち向かう、主権者の勢力は、これから実施される2回の参院選、1回の衆院総選挙に三連勝しなければならない。この国政選挙三連戦に三連勝することによって、日本政治を再刷新できるのだ。

 悪のピラミッドは、選挙の際に、安倍暴政に立ち向かう主権者の投票が分散することを目指す。その一角として利用価値が大きいのが橋下維新なのだ。民主や維新の中核を占有する自公補完勢力も、悪のピラミッドにとって、貴重な存在である。

 安倍暴政を打破するには、敵方のこの戦術を見破り、それに対抗する戦術を打ち出さなければならない。その手法は、政策を軸に自公に対峙する候補者を一人に絞り込むことだ。主権者が主導して候補者を一人に絞る。そして、この候補者に、理念を共有する主権者が投票を集中させる。これがオールジャパン候補の選定とオールジャパンでの選挙支援である。橋下維新になど、関心を注ぐひまはない。勝利の方程式を確定して、ひたすら目標に向かって行動することだけが重要である。

※続きはメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第1300号「大阪ダブル選を他山の石として参院選戦術構築」で。

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