長期インターンを戦力に 地場中小企業の事例
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山本啓一社長 「長期インターンシップ生は優秀な学生が多い」。こう話すのは、のぼりや幕の作成をはじめ集客支援を手がけるエンドライン(福岡市中央区)の山本啓一社長だ。長期インターンシップとは、大学生や大学院生が数カ月から数年にわたって有償で企業の就業体験を行うことを指す。
15年以上前からインターンシップを受け入れてきた同社では、約1年前から長期インターンシップ生の採用を本格的にスタート。現在では10名ほどの長期インターン生が電話などによる営業サポート、ウェブ記事作成などのマーケティングサポートで活躍している。
エンドラインの長期インターンは、学生の希望に応じて「営業」か「マーケティング」へ配属され、週に2日程度、1日4~7時間程度で就業することが平均的だという。地場の中小企業には「興味はあるが・・・」という声も多い長期インターンシップについて、山本社長に話を聞いた。
──長期インターンを行うメリットとは?
山本 もちろん、当社へ入社いただくのが理想ではありますが、前提としてコストとリターンのバランスが取れているから継続しています。たとえば、これまで外注していたマーケティングにおけるウェブ記事の作成などは、内製化によりコストを下げられています。
──企業側が準備すべきことは?
山本 コア業務とノンコア業務の適切な切り分けと、それにともなうマニュアルの作成でしょうか。学生に業務を依頼するためには、曖昧な指示ではなく明確な指示が必要です。当社の長期インターン生には私が行ってきた業務も担っていただいていますが、私自身が業務の切り分けとマニュアル作成を地道に進めることで、明確な指示を出せるようになりました。こういった切り分けは、組織として業務の再現性を高める効果が期待でき、当社にとってはインターンの副産物となりました。
ディスプレイには体系化されたマニュアルが並ぶ ──長期インターン生の担当業務は?
山本 営業とマーケティングのいずれかを、メインに担っていただいています。営業は、問い合わせ対応や休眠顧客への電話営業、リストの作成など。マーケティングは、メルマガやウェブ記事の作成、リスト整理などです。現在、それぞれ5名を採用しています。意外に思われるかもしれませんが、「営業がしたい」からインターンを志望する学生も少なくありません。就職して始めるより、学生時代に経験しておきたいと考える学生は意外と多いようです。もちろん、完全な新規営業ではなく、架電先もトークスクリプトも当社で準備しておりますが、意欲的な学生が多く、頼もしく思っています。
──学生からの反応は?
山本 長期インターンを始めて約1年、まだネガティブな理由で辞めた学生はいないので、「学生にとってメリットがある」と思っていますが(笑)、単純にアルバイトとしても成立していることは大きいようです。それに、当社としても「アルバイト」ではなく「長期インターン」として採用していますので、広告業界のトレンドなど業務以外でのレクチャーも積極的に行っています。営業もそうですが、マーケティング業務ではウェブサイトの更新やSEO対策を行い、AIも活用していますので、業務を通じてビジネスパーソンに必要なスキルを学べる点も評価いただいています。長期インターンへの福利厚生の一環として、当社イベント「九州sports飲み会」「フクオカ人事飲み会」は費用負担なしで参加することも可能です。
──今後も続けていく予定ですか?
山本 学生にとって、ビジネスの現場を経験する機会はそう多くありません。そういった貴重な機会を提供することに責任も感じていますが、それ以上にやりがいを感じています。戦力としても重要になっていますので、今後も継続していきたいと考えています。
【永上隼人】
法人名
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