服部誠太郎・福岡県知事 「県民を真ん中に置く政策を実行」と決意を述べる

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 原中誠志・福岡県議会議員の「政経セミナー(県政報告会)」が26日、福岡市内で行われた。300人を超える聴衆が参集するなか、服部誠太郎・福岡県知事が登壇。約30分にわたり、知事就任以来の県政への取り組みと今後に向けた決意を語った。服部知事は3月6日に告示、23日に開票される福岡県知事選挙に出馬し、2期目の当選を目指している。

服部誠太郎・福岡県知事    セミナーではまず、新型コロナウイルス対応を軸にした県政運営の実情が語られた。知事就任直後は第4波という厳しい状況下だったが、医療提供体制の確保やホテルでの療養体制、さらに血中酸素飽和度を基準としたトリアージなど「福岡方式」と呼ばれる独自の対策を展開。「医療従事者や事業者、県民の協力を得て感染拡大の波を乗り越えた」と、感謝を交えつつ語った。感染症下で落ち込んだ地域経済を下支えするため、飲食店のゴールドステッカー制度やテイクアウト・デリバリー支援、プレミアム付き地域商品券の発行など、多角的な支援策を講じたことも強調した。

 次に語ったのが、教育や人材育成など。県立高校へのタブレット配備や体育館へのエアコン設置、学校給食の充実など、子どもたちの学ぶ環境を整備し、スタンフォード大学との連携による英語教育プログラムの推進も紹介した。人材育成では、女性の社会進出促進策として、福岡キャリアカフェや女性専用の融資制度を設け、起業や再就職を支援。加えて、障がい者の工賃向上にも取り組んだことなどをあげた。

 産業育成の面では、半導体産業や水素・自動車分野などグリーン成長につながる企業誘致に力を入れる一方で、中小企業への賃上げと価格転嫁の支援策を拡充。プレミアム商品券の追加発行による消費喚起や、交渉支援の専門家派遣なども進めたと述べた。また、「観光振興やスタートアップ支援により、広範囲に経済活性化を図る」とも話した。

 安全・安心な社会づくりについては、今後の感染症対策や災害時の避難所整備、女性目線の防災・トイレ環境確保の重要性などに言及。保健環境研究所や家畜保健衛生所を統合した「One Health Center」の整備の状況についても紹介し、人や動物、自然環境を一体に捉える姿勢を示した。服部知事は今後の県政について、「すべての県民が安心して暮らせる社会を目指し、県民をど真ん中に置く姿勢を貫いて政策を実行し、福岡県をさらに発展させたい」と決意を語った。

【田中直輝】

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