小中学生が起業を体験、「FUKUOKA起業ゼミ」最終発表会開催
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福岡市が主催する「FUKUOKA起業ゼミ」の最終発表会・表彰式が2月24日、Fukuoka Growth Nextで開催された。本イベントは、小中学生を対象に起業家マインドを醸成し、実際のビジネスアイデアを考案・発表するプログラムの集大成となるものだ。当日は、保護者だけでなく、市内スタートアップや投資家、金融機関関係者らが見守るなか、参加した60名の子どもたちは、堂々とプレゼンテーションを披露した。
「FUKUOKA起業ゼミ」は、会社設立の基礎を学びながら、身の回りの困りごとを見つけ、解決策を考え、ビジネスアイデアとして磨き上げ、起業へとつなげるプロセスを学ぶ起業家育成プログラム。小学4年生から中学3年生までの子どもたちが、市内の起業家や投資家によるメンタリングを受けながら、アイデアの具体化からプレゼンテーションまでを体験するという内容だ。発表されたアイデアには、子どもたちならではの発想が生かされており、「ペットボトルの蓋が開けにくい」「旅行の荷づくりが大変」といった身近な問題に着目したものが多かった。
午前の小学生コース、午後の中学生コースに分かれて開催された発表会では、まず全員が予選プレゼンを行い、各グループの1位通過者3名が決勝に進み、最終プレゼンを行った。最優秀賞は審査員の評価によって、オーディエンス賞は当日の参加者の投票によって選ばれた。
審査員として登壇したのは、福岡のスタートアップ業界を牽引する8名。たとえば、90名以上のZ世代デジタルクリエイターを率いる23(株)代表の清水淳史氏や、アウトドア事業を展開するキャンプ女子(株)代表の橋本華恋氏などの現役の起業家やスタートアップ支援に携わる投資家が審査を担当し、すべての発表に対し、的確なフィードバックを行った。
小学生コース
左:最優秀賞・加藤直樹さん
右:オーディエンス賞・牧園空來さん小学生コースで最優秀賞を獲得したのは小学4年生の加藤直樹さん。歯の矯正治療を早く終わらせたいという悩みから、「噛む」という行為に着目し、塩分や糖分を取りすぎずに続けられる食べ物としてビスコッティを選択。実際に試作品をつくり、改良を重ねた点が評価された。「小学校で配られたチラシを見て興味をもち、参加した。発表は緊張したが、優勝できて嬉しい」と喜びを語った。オーディエンス賞には牧園空來さんが選ばれた。
中学生コースでは、最優秀賞を森山六開さんが、オーディエンス賞には日髙大翔さんが受賞した。
中学生コース
左:最優秀賞・森山六開さん
右:オーディエンス賞・日髙大翔さん本プログラムは単なるコンテストではなく、子どもたちに起業という選択肢を示し、自らの発想をかたちにする力を育む場となっている。今回の経験を通じて、将来福岡から世界に羽ばたく起業家が生まれる可能性は十分にある。ある保護者は「初めはうまくできるか心配だったが、プログラムの内容がしっかりしていて、発表まで準備することができた。起業にも関心をもつようになったようだ」と話してくれた。
福岡市は「若年層の起業家マインド向上事業」として、昨年「FUKUOKAオープンイノベーションキャンプ2024」も実施しており、今後も次世代の起業家の育成に力を入れていく方針だ。
【岩本願】
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