日本セレモニー(下関市)、下請におせち購入要請 公取委から2度目の勧告

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 6日、公正取引委員会は(株)日本セレモニー(本社:下関市、神田輝代表)に対し、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請法」)違反が認められたとして、同社に勧告を行った。

 冠婚葬祭式の施行などを手がける同社は、ブライダルビデオやメモリアルビデオの作成、冠婚葬祭式の司会進行や美容着付け、音響操作などを下請事業者に委託している。

 発表によると同社は、2022年9月~23年12月の間、おせち料理やディナーショーチケットを販売するにあたり、従業員の部署や役職ごとに販売目標を設定していた。その販売目標達成のため、下請事業者に対し、発注担当者などを通じておせち料理等の購入を要請。要請を断った下請事業者に対しては、再度購入を求めるなどの行為を行っていた。その結果、23の下請事業者が合計272万円分のおせち料理等を購入した。さらに、購入代金を振り込む際の手数料についても、下請事業者側が負担していた。

 日本セレモニーは、過去にも同様の行為で指摘を受けており、16年6月、公取委から下請法違反として勧告を受けていたにもかかわらず、適切な社内体制の整備を怠り、再び下請事業者に対する購入強制を行っていたことになる。

公取委は今回の勧告で、同社に対し、下請事業者が購入したおせち料理等の購入金額から、下請事業者が得た利益を控除した金額および振込手数料を速やかに支払うよう求めた。また、同社に対し、今後は正当な理由がない限り、下請事業者に対する購入・利用強制を行わないよう徹底することや、下請事業者が問題を通報できる制度の整備とその周知などを求めた。

【寺村朋輝】

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