大高建設、創業50周年式典を本日開催、25年3月期は過去最高売上に

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 1975年3月25日に創業し、50周年を迎えた大高建設(株)。本日、ホテルニューオータニ博多に顧客を招待し、記念式典を開催する。別途取引業者を招待する式典も4月に開催予定で、同社関係者を除き合わせて500名以上という大規模なものだ。50周年について大木孝一郎代表取締役社長は、「50年という長い年月、山あり谷ありでしたが、長年にわたり当社を支えてくださったお客様、協力会社の皆様のお陰であり、社員一同の努力の結晶だと深く感じています。感謝の気持ちを最大限に表したいと思っています」と思いを語る。式典には創業者の1人である大木孝朋会長も出席する。
(聞き手:(株)データ・マックス 代表取締役会長 児玉直。取材日:3月18日)

鉄骨、物流、工場を柱に、時代に合わせて成長

大高建設(株) 大木孝一郎代表取締役社長
大高建設(株)
大木孝一郎代表取締役社長

    ──今期の業績の見通しはいかがですか。

 大木孝一郎氏(以下、大木) 直近の業績は非常に良く、今期の売上高は約77億円に達する見込みです。昨年の65億円から大きく伸び、バブル期の約70億円を超え、過去最高となる見込みです。受注単価の大きい物件が増えていて、とくに物流関連の物件の受注が好調であることが寄与しています。受注規模が大型化しており、30億円、20億円といった規模の案件を手がけるほか、10億円規模の案件も多く受注しています。

 ──この好調の要因は、50年前からターゲットとしてきた物流施設などの建設の取り組みが結実したということでしょうか。

 大木 当社の主力事業は、鉄骨造と物流施設、生産工場を中心とした産業用建物の建設で、これは50年前から現在においても変わっていませんが、そのなかでEC市場の拡大や企業の物流戦略の変化など、時代のニーズに合致した取り組みを行ってきた結果だと捉えております。

 ──次の50年に向けての方針をお聞かせください。

 大木 先ほど述べたような方針は今後も揺るぎません。これまで培ってきた強みをさらに強化し、技術を磨いていきます。

 九州が「シリコンアイランド」「カーアイランド」としての充実を図っていることもあり、九州北部・熊本を中心とした相次ぐ大型投資が産業用建物の需要を押し上げており、業界は非常に活況を呈しています。この約50年で、これほど多くの工場建設案件が立ち上がり、地元の建設業者が忙しい状況はなかったと思います。当社にとっても対象となる案件が多岐にわたっています。従来は取引がなかった首都圏の事業者からも多数の問い合わせを受けているほどです。

将来を見据えた体制づくり

 ──今後の成長を維持していくうえで、課題と感じていることはどのようなことでしょうか。

 大木 今後、事業を継続していくためには、人材のみならず技術部門や施工管理体制の充実に向けて、さまざまな施策を検討していく必要があります。業界全般として、技術者不足が深刻な課題となっていますが、当社としてもとくに頭を悩ませているのがこの問題です。問い合わせに対し、案件を引き受けたいと思ってはいるのですが、今後2年は予定が埋まっていて、引き受けられず申し訳なく感じているところです。こうした好況は、今後5年は続くものと思われます。77億円という受注額にしても、当社の現在の施工体制から見て、とくに技術部門には大きな負担がかかっており、早急な対策が必要だと感じております。

 とくに将来を見据えた若手人材の確保は大きな課題です。建設業界全体として、若い世代の入職者が減少傾向にあり、当社も例外ではありません。若年層の母数が少ないなか、建築専攻の工業高校や大学を卒業した人材は、スーパーゼネコンをはじめとする大手企業が積極的に採用するなど、人材獲得競争は激化しています。設備関連でも、ゼネコンが近年、設備部門の業務の内製化を進めており、同様に採用を強化しています。建築や設備関連専攻の学生の就職において、大手ゼネコンに対してさえも売り手市場と言えるような状況です。九州北部や熊本で建築関連の案件が増えることで若年層の入職者が増えることにともなって、時間はかかるでしょうが彼らが定着していくことにも期待しています。

大高建設(株)    長年当社を支えてきてくれた社員の高齢化も、喫緊の課題ではないにせよ念頭に置いておかなければならない問題です。幸いなことに離職者がほとんどおらず、社員のボリュームゾーンが50歳前後に上がっています。彼らは経験豊富で頼りになる世代の社員なのですが、引退を迎える前に、次代を担う人材をしっかりと育成し、スムーズにバトンタッチできる体制を構築していくことが、私の重要な責務の1つです。幸い、幹部たちもその必要性を十分に理解してくれており、積極的に動いてくれています。

 ──過去を振り返りますと、バブル期などに多くの建設会社が急成長を遂げましたが、その後、時代の変化に対応できずに消えていった会社も少なくありません。

 大木 過去最高の売上を記録しながらも、その後倒産した企業もありました。当社は現在好調とはいえ、決して慢心することなく、「良い時ほど気をつけろ」という格言を肝に銘じて、引き締めて経営に取り組む必要があると感じています。

 社内では、社員一人一人が満足し、充実した生活を送れるよう、しっかりとサポートしていくことが重要だと考えています。社員への還元も積極的に進めていく所存です。また、長年お付き合いのある日本製鉄など顧客・仕入れ先との人的なつながりも、大切にしていきたいと考えております。

 創業から50年、本当に多くの方々に支えられてきました。今後もお客様、協力会社の皆様、そして社員への感謝の気持ちを忘れず、地域社会の発展に貢献できるよう、まい進してまいります。

【文・構成:茅野雅弘】


<COMPANY INFORMATION>
代 表:大木孝一郎ほか1名
所在地:福岡市博多区上牟田1-29-6
設 立:1975年3月
資本金:9,500万円
TEL:092-414-2222
URL:https://www.o-taka.com

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