2024年11月25日( 月 )

韓国で野党が分裂、政局混迷か?

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korea 韓国の人気議員である安哲秀(アン・チョルス)氏が12月13日、記者会見を開き、第一野党・新政治民主連合から離党することを表明した。離党の理由として、安氏は「(新政治民主連合の)文在寅(ムンジェイン)代表に党の改革案を提案したが、受け入れられなかった。党は『万年野党の決心』をしており、このままでは政権交代は永遠に成し遂げられない。政権交代を成し遂げられる政治勢力を作りたい」と述べた。15日には、釜山市議会で記者懇親会を開催し、「腐敗や暴言、強圧な行動に対し、断固たる態度を取れる人、ダブルスタンダードがない人を同志として求めている。『守旧的な保守派』でない限り、どんな人とでも一緒に手を握っていくつもりだ」と語った。

 韓国人事情通は、「IT起業家出身で野心家とされる安氏には、若者からの支持が厚い。2012年の大統領選挙に一時は立候補を表明したものの、党内での調整から出馬を取りやめたが、その際には、無党派層や若年層から失望の声も聞かれたほどだ。安氏自身は将来の大統領の有力候補でもあり、その安氏が新党を作れば、一大勢力になる可能性がある」と指摘する。

 党内外からの求心力を持つ安氏の離党により、30人を越える議員が同調して離党し、新党が結成されるのではないかとの憶測も囁かれている。離党人数によっては、来年4月の国会議員総選挙で、野党同士で票が割れ、与党・セヌリ党が圧勝するという見方も強まってきた。一方、セヌリ党支持層からも一部、票を取り込むとも見られ、新党が近い将来、第一野党になるのではという大胆な予測も出てきている。

【杉本 尚丈】

 

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